肥料や塩分の量や土壌への浸透度合いを知る指標となるEC値、作物が育ちやすい環境の指標としてのpH値、これらはいずれも、作物を育てる上で知っておきたい大事な管理ポイントです。 ECとはEC(電気伝導度)は、主に土壌中の残留養分や塩分濃度を知るための指標濃度指標で、単位はミリジーメンス(m S/cm)です。チッ素などの肥料成分はイオン化された状態(NH4+、NO3-など)で植物に吸収され、EC値は特定の成分量ではなく、土中に含まれている肥料の総量を指します。イオン量(肥料や塩分)が多いと電気が伝わりやすくなるため数字が高くなります。多くの植物の生育に適したEC値は0.2~0.4 mS/cmで、EC値が0.8 mS/cm以上になると濃度障害などの悪影響がみられます。 栽培作物別のEC値の目安 pHとはpH(土壌酸度)は、酸性からアルカリ性までの程度をpH0~pH14で示し、pH7が中性になります。数値が少ないほど酸性が強く、数値が大きいほどアルカリ性が強くなります。土壌酸度は、肥料成分の吸収のしやすさ・しにくさ、微生物の働きなどに関係していきます。一般的な植物の育成に適したpH値は、おおよそpH5.5~pH6.5(弱酸性)で、どんな肥料成分も吸収しやすくなります。 ココカラピートのEC値・pH値ココカラピートのEC値とpH値は、EC 0.5-2.0・pH 5.5-6.5 に調整されています。インドの工場では、作物に適したEC値に下げるため、繰り返し洗浄を行い、また水分率を25%以下に抑えるために乾燥も繰り返しています。通常、ココピートのpHは成熟度によって異なります。ココカラピートは、作物に適した茶色の粒のみを使用し、製品毎にpH値のバラツキがなく安定しています。 灌水と排水のEC値・pH値管理で安定した収量を!定植後、灌水のECは、基水ECと植物の栄養要求量によって抑止されます。例えばトマトはEC値とpH値に対して比較的耐性がありますが、灌水と排液のEC値とpH値のチェックは必ず行い、数値が常に目的の範囲内にあることを確かめてください。灌水と排液の数値の違いを管理することは、適切な栽培と安定収量の確保のためにとても大切です。成長過程では、一貫して施肥液内にすべての栄養素が必要になります。灌水と排液の栄養素濃度の差を比較・分析して、作物の管理に役立ててみてください。