ココピート製品の多くは、インドやスリランカで製造されています。実は、ココピートとひと言で言っても、現地サプライヤーから工場まで、つまり「ココナッツ殻からココピート」までの製造工程には大きな違いがあります。ココピートの品質を見極めるポイントの一つに、ココピートの粒と堆肥の均一性が挙げられますが、これには製造工程が大きく関係しています。ここでは、南インドのポラチー地域での製造方法と、スリランカなどでよく行われている”ラゴン”と呼ばれる製造工程の違いをご紹介します。世界中のココピートメーカーの集結地ポラチーインド南部タミルナドゥ州の内陸に位置するポラチーには、世界中のココピートメーカーが拠点を置き、高品質なココピート製品を世界中に提供しています。高品質の秘密は、サプライヤーの生産管理にあります。◼︎ココナッツ殻の熟成を進めるために、山積みにして水をかけるココナッツ殻を所定の場所に山積みに置き、雨水に晒したり、水を撒いたりして湿った状態で保管します。茶色のココナッツ殻は、そこからココピートを取り出し、約1ヵ月間保管したのち、2、3ヵ月目から洗浄・乾燥工程に入ります。未熟な緑色のココナッツ殻は、1〜3ヵ月間雨水に晒したり、水を撒いたりして茶色く熟成させていきます。その後、4〜6ヵ月目から洗浄・乾燥工程に入ります。◼︎ポラチー地域の製造工程◼︎ココナッツ殻から取り出したココピートも更に山積みで管理ココナッツ殻から取り出したココピートも、広くきれいな場所に置いて管理をしています。雨が降らない時期は、地下水をかけてEC0.5以下にし、さらに乾燥をさせて水分量25%以下になるように管理します。地面に接して黒くなった部分は使用しません。ココカラのサプライヤーもポラチーにあります。海に浮かぶスリランカの『ラゴン』製法ラゴンとは、スリランカで主に行われているココピートの製造方法です。これは、水の中にココナッツ殻を沈めて熟成させていく方法です。インドにおいても、海沿いに位置するケララ 州では、バックウォーターを利用して、このラゴン製法が行われいます。◼︎ラゴンの製造工程◼︎池などの水にココナッツ殻を沈めて熟成スリランカのラゴン製法は、主に深さ約190cmの池にココナッツ殻を沈め、ココナッツが浮かんでこないように、ヤシの葉や不要なココナッツ殻、繊維、土などでおもりをします。このように数ヶ月間水につけた状態で、熟成が進んでいきます。スリランカでは、6ヵ月以上水に浸けた黒色のココピートが多いですが、3ヵ月程度で引き揚げた茶色のココピートも製造しています。◼︎粒が小さく、砂が混ざってしまうラゴン製法の問題点は、土、砂、ヤシの葉などが一緒に堆肥化することで、ココピート以外の不純物が混ざってしまうことです。これらをすべて除去するのは困難です。また、微生物がココピートのセルロースを食べるため、粒が割れて、1mm以下の小さい粒が多いのも特徴です。ココカラが、上質な粒の大きさ、良い堆肥レベルの高品質なココピートを提供できる理由は、南インドのポラチーのサプライヤーと提携し、製造工程を管理していることにあります。なお、ラゴン製法で作られた黒色のココナッツ殻から取り出した黒くて強い繊維は、鉄を磨くためのタワシのような製品に使用されています。近年はこれらの需要が減少していて、農業・園芸分野のココピート製造にも力を入れるようになりました。ココピートを選ぶ前に確認をしましょう日本でもさまざまなメーカーのココピートが出回っていますが、品質を見極めるポイントとして、事前にサプライヤーの所在地や製造工程について、販売元に確認することをおすすめ致します。