謹んで新春のお慶びを申し上げます。旧年中はひとかたならぬご愛顧を賜り、心からお礼申し上げます。高品質なやしがら培土のニーズ拡大昨年度に引き続き、多くのご生産者様にココカラのコイアピットをご愛用いただき、今年度で7年目を迎えることができました。昨今の「より高品質なコイアピット」を求める生産者様からのお問い合わせの増加など、高品質なやしがら培土のニーズ拡大を受け、今年はより多くのご生産者様にお届けできるよう、地場の代理店との協業の仕組み作りに着手してまいります。コイアピットがスポーツ選手の健康へ寄与2021年はオリンピック開催年でした。今回、オリンピックのサッカーグラウンドの環境配慮型の人工芝用充填材として、ココカラのコイアピットが採用されました。従来、安価で埃が出ないなどのメリットがあるため、人工芝用充填材にはゴムチップが使われていますが、風雨によってピッチ外へ流出してしまうとマイクロプラスチックとして環境へ放出されてしまう恐れがあります。これに対し、ココカラのコイアピットは、環境への負担が少ない上、人工芝の耐久性を上げ、緩衝層を作ることでクッション性を持たせるごとができるため、選手の膝や腰など体への負担を軽減につながります。これを受け、ココカラでは、やしがら培土という天然資源を活用することによって、循環、再活用できる社会をつくっていきたいと考えています。ココヤシ農家が抱える課題やしがら培土の原材料となるココナッツを生産するココヤシ農家には、下記のような大きな課題があります。①中小のココヤシ農家は1日に販売できるココナッツの量が少ないにも関わらず、ココナッツ製品(ココナッツオイル、ココナッツジュースなど)の市場が大きいため、ココナッツの数をまとめる必要があり、仲介業者を通さないと販売できない産業構造になっている仲介業者を通さないと販売できない産業構造になっている理由は、原材料調達を担う仲介業者を通さなくてもココピート産業へ参入できる仕組みがそもそもないことです。そのため、仲介業者へ少ないマージンでココナッツやハスク(ココナッツの殻)を販売し、低所得層から抜け出せないという循環が起きています。②農家の十分な知識や技術の育成が進んでいない十分な知識や技術の育成が進んでいない理由は、低所得など様々な要因により、ココヤシ農家が産業全体(環境問題等)を見通せていないためです。現在も尚、原材料となるハスクの処理方法に、CO2排出が問題視される焼却処理を起用しているため、地球環境保護の観点から問題となっています。上記の課題を改善する第一歩として、農家の知見を引き上げることが必要であると考え、とある実証実験を開始しました。ココカラ、ジェトロ「アジアDX等新規事業創造推進支援事業費補助金」に採択、インドのココヤシ農家向けナレッジマネジメントプログラム提供開始実証実験地域は、ポンデシェリー連邦直轄領及びタミルナドゥ州マラッカナム村、カダロール村、パンルチ村、セーラム村など、ポンデシェリー中心部から20-50kmほどの距離に位置する上記の村です。インドの協力会社と共同開発するスマートフォン用アプリケーションを使用して、ココヤシ農家に教育をします。このようにココヤシ農家のリテラシーを長期的に外部から高めることにより、これまでの中間業者との不利な取引から脱し、ココカラが保有する生産工場との直接取引を目指します。 この活動によって、インドでものづくりに携わる農家のスキルの向上だけでなく、品質に対する意識、インドのものづくりを世界基準へ引き上げていき、Made in Indiaに対してよりよいイメージをもっていただき、日本のお客さまへ安心して製品を提供できることを目指します。ココヤシ農家向けナレッジマネジメントプログラム提供が、雇用拡大、事業者への良質な原材料の安定的供給、そしてインド国内のやしがら培土産業の発展へと続き、農業に携わる人々の就業環境の改善などにも広くインパクトをもたらすことができると期待しております。 未来を見つめて、後世における農地環境保護、栽培知識、新たな働き方の提案ココカラは、ココヤシの世界最大の産地であるインドでやしがら培土の商品開発・製造・品質管理の全てを手掛けている日本でも数少ない会社です。長期的目標として、アジア地域や中小規模の方へも届けることと同時に、「人」の働き方への変化や発展へ寄与できる存在になることこそ、ココカラの想いの根源です。昨年から新メンバーも増員し、インドのプロジェクト協力メンバーとも喜びを共有し、グローバルベンチャーとして成長の糧としてまいります。私たちは、これまで以上に安心・安全に高品質なコイアピットを皆様にお届けしてできるよう努めますことをお約束いたします。本年も変わらぬご愛顧のほど、お願い申し上げます。