▼左 アルール・ムルガン(ココカラ合同会社/インド法人代表)右 大原秀基(ココカラ合同会社 代表取締役 /CEO)春爛漫の季節を迎え、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。私大原秀基は、3月初旬に来日したインド法人代表のアルール・ムルガンと各地の生産者さまを訪問させていただきました。その中で、今日に至るまでの道のりを振り返り、収量向上に向けた伴走支援モデルの構築が視界に入り、さらなる企業成長基盤の必要性を実感しております。事業全体に関しても、躍動感に満ちた新発表を控えております。現在のプロジェクトの準備を丁寧に進め、今年度も皆さまのご期待に応えるべく努めてまいります。ムルガンからの皆様へのメッセージ3月頭に日本各地を訪問。人生を変えた日本と故郷南インドへの思い新たにまだ寒さが残る、3月初旬に日本各地の農園訪問とグロワーの方々に貴重なお話を伺いました。心より感謝の思いでございます。そこで得た研究開発の方向性への新たな気づきや課題を持ちかえり、気持ちを新たに、新年度のスタートを迎えております。私は、世界で希少な磁性流体を扱う日本企業で働いた際、豊かな生活経験を30代半ばで経験したことがきっかけで、その後、故郷のインドに暮らす人たちに向け、ライフチェンジの機会を自ら作る側となることを決意。友人、大原と共にココカラを起業し、早10年。節目の1年でもあります。日本では良い環境に恵まれたことを今となっても思い出します。当社研究施設を有する地、南インドは私の故郷でもあります。南インドは、大学院への進学や日本企業への就職など含め、私がこれまで得た成長機会を得ることやそのチャンスに恵まれることすらも簡単ではないのです。ですが、「雇用機会の発展と創造」に明るい大手人材業界出身の大原と出会い、「その人固有の才能やリソースを最大限に生かし、可能性を広げ、未来に向けて創造的に生きる機会を事業によって実現していく」ビジョンを互いに共有してまいりました。南インド産ヤシのハスクを用いる事業構想を練り上げ、新規でココピートを製造する拠点を立ち上げました。以降、ココカラインド工場の拡大と共に、セーラム(インド南部タミル・ナドゥ(TN)州セーラム県)の女性を平均賃金の2倍で雇用し、生活環境や収入の向上の実現化につなげることができたのです。3人体制でスタートしたインド工場ですが、昨年度は21名体制となり、地域に雇用を創造できていると考えております。男女比では女性が7割を占め、インドではまだ当たり前とはいえない安全で清潔な職場環境を整備しております。私の仕事の使命感は、カシュー農園を営む母から受け継がれてきた自身のアイデンティティにあり、「農業の興隆が人類にとっていかに大切であるか」を胸に、今後も農業の持続的発展へ尽力してまいります。▲更衣室やトイレなど女性が働きやすい環境を整えています代表、大原からの皆様へのメッセージ創業10周年を目前に、当社では、中期経営戦略を策定し動き出しております。持続可能な農業の実現と先行き不透明な食料供給システムへの対策を見据えながら、中期経営戦略を実行し、事業成長のさらなる強化へ向けて取り組んでまいります。近い将来、日本人特有の勤勉さと丁寧さ、勘の良さを備えた「グロワー(栽培者)」が世界にわたり、現地の方と共に農作業や栽培をし、栄養価の高い作物の収量向上に向けた発展的取り組みができたら、と思いを巡らせています。ココカラピートもパワーアップし続け、その「サブ・グロワー」の姿勢で伴走する存在であるよう今後も事業推進してまいります。使い終わったココカラピートは、果樹栽培や畜産業(豚のベッド)など新たな形で再利用され始めました。家庭菜園市場にも注力していきます。当社がミッションに掲げている「世界中の人が生きられる食料を得るため、新しい地球を創ること」に向け、今後もココナッツ産業における労働力に限らず、資本、農地、水資源を減らさず、地球環境に配慮した農業の持続的成長を促す企業指針を大切に、すべての人にとってより住みやすい世界を創造してまいります。新年度が始まりご多用のことと存じますが、今後共ご支援ご厚情を賜りますようよろしくお願い申し上げます。