謹んで新春のお慶びを申し上げます。旧年中はひとかたならぬご愛顧を賜り、心からお礼申し上げます。創業以來、ココピートのリーディングカンパニーとして、ココヤシの世界最大の産地であるインドで商品開発・製造・品質管理を行い、高品質なココカラピートをお届けし、お客様からの確かな信頼を基に成長する企業として、日々努めております。今後もより一層のご支援を賜りますよう、社員一同心よりお願い申し上げます。つながりあえる喜びを広げ、新たなる挑戦へ当社は、創業10周年を迎えます。これもひとえに、皆様のご支援ご厚情の賜物であり、深く感謝申し上げます。これまで数多の生産者の方々から、栽培環境だけではなく、様々なご経験や大変なご苦労、独自性ある取り組み、仕事への志に至るまで、お人柄の魅力溢れるような貴重なお話を伺う機会も多くいただいてまいりました。そして昨年、生産者、消費者をつなぐプラットフォームとしてWEBコンテンツ「cocoふぁむ」がスタートいたいしました。「cocoふぁむ」とは「cococara(弊社)・farms(農場)・family(家族)」の3つの要素を組み合わせた言葉であり、「繋がり」をコンセプトとしています。コンテンツの第一弾は、「私の注目農家さん」と題し、ココカラ製品をご使用いただいている生産者の方々に、次世代の農業の取り組みなど幅広くインタビューをさせていただきました。今後もお一人、お一人のビジョンとつながりを大切にしながら、きめ細かな情報提供をしてまいります。2024年、より高品質なココピートをより低価格でお客様へ2023年、インド生産拠点体制を拡大し、「ココカラインド セーラム工場」を設立しました。そして2024年には、新たな生産体制を活かし「より高品質なココピートをより低価格で届ける」ことを目指しました。自社工場における「ココカラピート」開発において徹底した品質管理を行う理由は、天然資源であるヤシガラ培土自体に、ばらつきがあるためです。当社基準の品質を皆様へと示すことも目標に、研究を重ねてまいりました。その成果として、花用ココチップに始まり、ココピートモス、ココカラバッグXタイプ(パプリカ、夏イチゴ、夏越しトマト向き)、ココカラ・プレタ(育苗、レタス向き)、イチゴ苗用ココカラポットなど、品目や栽培方法など様々なニーズに合わせたココカラピートの提供を実現することができました。お客様の評価として、「自分たちのやりたいことに合わせ、カスタマイズできる」という声もいただけて、社員一同の励みとなっております。一方で、急速なココピートのニーズの高まりに対して、インド製造工程内が複雑化しております。今後はより細やかな対応をすべく、一層のオートメーション化へと舵を切り、自社での内製化の割合を増やすなどの対策に注力してまいります。本年は、さらなる収量と味の向上を目指し、製品を使った栽培研究と仕組み化への寄与に向け、新たな価値をお客様へ提供してまいります。10周年、今後の具体的方策当社は設立当初より、「農業をもっとラクにする」ことを目指すと共に、インドのココナッツ産業に携わる方々の中で、特に「疎外されたセクターの生計支援」へと変化をもたらし、社会貢献が可能となることを目標にビジネスモデルを構築してまいりました。ココナッツ産業における労働力に限らず、資本、農地、水資源を減らさず、地球環境に配慮した持続可能な資源の利用を目指し、組織の生産性における持続的成長を促す企業経営を行っております。また、当社のSDGsミッションとしても、「世界中の人が生きられる食料を得るため、新しい地球を創ること」を掲げ、すべての人にとってより住みやすい世界を創造してまいります。10周年である今年は、中期経営戦略を策定し、動き出しております。持続可能な農業の実現と先行き不透明な食料供給システムへの対策を見据えながら、以下、中期経営戦略を実行し、事業成長のさらなる強化へ向けて取り組んでまいります。5つの中期経営戦略環境制御型農業向けココピート事業の更なる進化人工芝やバイオマス燃料、家庭菜園等、ヤシガラを活用した新事業領域の拡大 新製品・研究開発、栽培方法や経営知見情報提供持続的な農業に重要な水源保全、培地再利用の推進インド自社工場の雇用環境への投資等、事業インフラの強化 ココカラピート生産を統括するインド生産工場からのメッセージ日本とインドの農業の架け橋である当社として、日本国内における次世代農業の成長、また、グローバル化が進む現代では持続可能な食料供給システム(フードセキュリティ)への対応策が、大きな課題であると捉えております。国際的なフードセキュリティの概念・定義については、時代の変化とともに大きく変容しております。「食料の行き渡る量が十分であれば良い」というだけの定義にとどまらず、食料そのものの質や安全性、そしてそれを継続的に確保できる物理的、経済的な側面も含まれ、持続できる可能性も示唆されています。気候変動からくる豪雨や洪水、干ばつ、温暖化の影響のほかにもフードセキュリティが脅かされている要因はあります。今後の食料安定化、農業の持続成長を妨げる要因=多くのハイリスク化要因が存在する中、ココカラは特に以下の3点にフォーカスし、事業開発しております。1.人口増加 日本は少子高齢化が進んでいますが、世界人口はこの先60億~100億人に膨れ上がることがわかっています。世界人口が増加すれば、必然的に食料も確保しなければなりません。暮らしのために今も農業用地や水資源が転用され都市化が進められていますが、人々の食料確保問題が激化する傾向が想定されます。2.土壌の力の低下これまで収量を上げるための工夫として農薬を使っていた土地が痩せてしまったり農薬に対して抵抗力をつけた虫やバクテリアが進化してしまい、太刀打ちできないという現象も起きています。3.戦争や紛争など政治的不安定による食料危機近年では、ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルとパレスチナの紛争、2021年の軍事侵攻以来のミャンマーの内戦、エチオピアのティグレ紛争などは食料生産や流通、難民の飢餓問題など、人道的にも重要な課題をはらんでいます。フードセキュリティ 国連食糧農業機関(FAO)の定義より 「すべての人が、いかなる時にも、活動的で健康的な生活に必要な食生活上のニーズと嗜好を満たすために、十分で安全かつ栄養ある食料を、物理的、社会的及び経済的に入手可能である状態」を指します。今後も、皆様の様々なご要望にお応えするとともに、お役に立つべく誠心誠意努めてまいりたいと存じます。本年も変わらぬご愛顧のほど、お願い申し上げます。