沼﨑さんは株式会社タカミヤの愛菜で、若手社員としてキュウリの栽培を行っています。幼少期から農業に強い興味を持ち、明治大学農学部に進学。2020年卒業後にタカミヤに入社し、研修を経て現在は栽培担当としてご活躍されています。タカミヤの愛菜は株式会社タカミヤのグループ会社で、2021年より30aの施設でキュウリ、ミニトマト、イチゴの栽培で農業に参入。翌2022年には、約60aの高軒高で先進的なハウスを設置し、ココカラのグローバッグを使ったキュウリに特化した養液栽培を始めています。そんな未開の地で、日々、キュウリの成長と向き合う沼﨑さん。彼自身の挑戦と成長の背景にはどのような思いがあったのでしょうか。そして将来の展望についてもお話を伺いました。▲インタビューを受けてくださった沼﨑さん◼︎幼少期は“昆虫少年”、幼い頃から農学部を志望小さい頃から昆虫が好きな、いわゆる“昆虫少年”だったんです。自然と触れ合うのも大好きだったし、環境破壊の問題にも興味があったりと、小学生の時から漠然とですが、農業に携わりたいと思っていました。そんな中で家族のサポートもあり、明治大学の農学部に進学したいと思うようになり、その付属中学に入学しました。明治大学の農学部に行けなかったら、たとえ偏差値が少し低くても別の農学部がある大学に進学するつもりでした。幸い推薦で明治大学に入れましたが、それくらい農学部に行きたかったんですよね。◼︎タカミヤの新事業、キュウリの栽培担当に抜擢タカミヤに入社したのは、何らかの形で農業に携わりたかったからです。正直、入社当初はハウスの営業などをすると思っていたのですが、ちょうど入社のタイミングで、タカミヤが新たに栽培事業に参入するという話があり、栽培してみないかと言っていただけたのです。私は中学からラグビーを10年間やっていたので、持ち前のその体力を会社は期待してくれたようです。栽培もずっと携わりたかったので、これはチャンスだと思って手を挙げました。まずは埼玉県加須市でキュウリの養液土耕栽培をされている、農家さんのもとで研修を受けて、その後弊社に戻ってハウスでの養液栽培を始めました。正直、入社当初は実際に栽培を担当するとは思っていませんでした。▲タカミヤの愛菜のキュウリハウス◼︎実際に農業と向き合ってみて、どうでしたか?・「農業をわかった気になっていた」と痛感農業については農学部の時に学んではいたんですけど、実際に自分でやるとなると、それまで想像していたものと全然違いました。知識だけじゃなくて実際に手を動かしてお金を稼ぐ仕事なので、理想と違う部分がたくさんあることを痛感しました。それに体力も必要。特に夏場のハウス作業は大変で、熱中症にならないように毎年気をつけています。・やりがいも沢山大変なことはたくさんありますが、やっぱりやりがいはあります。一番感じるのは、自分が大切に育てたキュウリを収穫できる時ですね。最初は小さな苗だったのが、少しずつ大きくなっていって、元気に成長した時の喜びは格別です。またパートさんたちとの関わりの中で人の成長を感じるのも嬉しいですし、収穫量が多い時は本当に達成感があります。▲丁寧に収穫作業を行う様子◼︎栽培トラブルにも丁寧に対応栽培トラブルが起きた時は、毎日やるしかないという気持ちで向き合っています。大きなトラブルが起きる時は、複数の要因が複雑に絡み合っていることが多いのですが、その要因を一つひとつ潰していくしかない。考えられる要因を洗い出して、自発的に試して解決していっています。また、トラブルを最小限に抑えられるよう、常に”何か問題はないか”と探すことも大切にしています。◼︎沼﨑さんが感じる、農業に向いていると思う人はどんな人ですか?体力・気合い・根性、そして生き物を大切に思える人だと思います。知識はここで学べばいいので、農業とは関係のなかった体育会系でも元ヤンキーの人でも、生き物に対する愛情があればオーケーだと思っています。「なんで今キュウリに元気がないんだろう?」などと考える姿勢は、収穫する際にその作物にも現れると思うんです。そういう心を持った人と一緒に働きたいです。◼︎沼﨑さんの今後の展望はなんですか?今後はタカミヤの愛菜が農業のプラットフォームとして、様々な企業と協力しながら農業の可能性を広げていくことを目指しています。それに向けて僕自身も栽培だけでなく、ハウスの設計や営業などの知識を深めて、組織の中核となることを目指しています。将来的には、農業に関する様々な分野を繋げるインテグレーターとして活動できるようになりたいですね。▲タカミヤの愛菜のキュウリインタビュー日時2024年3月15日訪問先株式会社タカミヤの愛菜 / 沼﨑太郎 氏 / 埼玉県羽生市大字日野手新田字清右ヱ門130-1公式ホームページhttps://takamiyano-aisai.stores.jp/Instagramhttps://www.instagram.com/takamiya_aisai/?hl=ja