小野隆資さんは、まだ国内で希少なミニパプリカを栽培しています。7年間、農業法人にてパプリカ栽培に携わりました。先進国のオランダで実践されている高度な栽培管理を学び、2021年に大分県由布市にて新規就農されました。2021年よりココカラピート(グローバッグ CP4)をご使用いただき、2024年には3作目を迎えます。インスタグラムではミニパプリカ栽培についての情報を発信するなど、とにかく知識豊富な小野さんにこの度お話を伺いました。■パプリカ栽培で大切にしていることお客様にいつも喜んで頂けるように、美味しくて高品質なミニパプリカを安定的に生産する事を目標にしています。そのために日々の管理を徹底すること、栽培に関わるコストを惜しまず良い資材を使うこと、試行錯誤を繰り返しながら技術を常に向上していくことを大切にしています。■培地を選ぶ際に求めることは?高品質なミニパプリカを安定生産するために、水やりの管理はとても重要だと考えています。そのため培地には均質性を求めたいです。こだわって水やりの管理を行っても、培地の保水力・排水力などが一枚一枚バラバラでは良い管理は難しいです。いくつかのヤシガラ培地を使用しましたがココカラピートの均質性が最も良いと感じました。また栽培を行う中でより良い管理方法や試してみたい事が出てきた際に、相談に乗って頂きサイズ等柔軟に対応頂けた事もココカラピートを選択している大きな理由です。▲ココカラバッグを使用したミニパプリカ栽培の様子■国内で希少なミニパプリカ、栽培の課題や工夫はありますか?まだまだ日本での栽培実績が少ない品目なので手探りで栽培しています。本場のオランダは冬季の日照量こそ少ないですが、栽培期間中は穏やかな気候で果菜類を育てるには適した環境です。一方日本では四季があり急激に環境が変化するため、デリケートなパプリカを栽培するにはどの時期にもリスクがあります。温度の管理は季節によって非常に難しいですが、水やりの管理はどの季節でも人間の手によってコントロールできる数少ない項目です。酷暑の時期や梅雨時期なども水やりだけは最適な状態に管理できるように毎日データを取りながら試行錯誤しています。▲ハウスの様子とミニパプリカ■高糖度ミニパプリカの販路は?ECサイトや量販店、大分県内の直売所で販売を行っております。ミニパプリカは食味や使いやすさ、栄養価の高さが特徴の野菜です。ヨーロッパでは「スナックパプリカ」の愛称で広く親しまれており、日本国内でもフルーツパプリカなどの名称で販売が始まっています。私たちは週に1度糖度のサンプル調査を行っています。その結果、赤のミニパプリカは常に糖度10以上を計測しました。ECサイトでも「甘くて美味しい」という口コミを頂き、そこから量販店の受注につながったケースもありました。まだまだ知られていない野菜なので、召し上がって頂いた瞬間に美味しいと思って頂けるように品種選定や水やりにこだわって食味を追及しています。▲収穫したミニパプリカ■小野さんが目指すゴールは?独立新規就農した際に「栽培技術の追求と安定経営」「従業員の地位・待遇向上」「オランダ型農業の普及」という3つの目標を掲げました。オランダでは収穫や誘引作業で生計を立てている従業員の方がいます。作業の速度や正確性でボーナスをもらえる仕組みなども整備されており衝撃を受けました。日本では、手入れ作業などの多くをパート従業員の方が担っていますが、手入れ作業が上手いと言うことで多くの報酬をもらえる方がいても良いのではと思っています。また個人差はありますが、手入れ作業は女性の方が得意な印象です。トラクター等大型機械の操縦を必要とせず、力作業の少ないオランダ型の施設園芸は、女性の方の農業進出に適していると思います。「オランダを参考にした高い栽培技術で、良いミニパプリカを生産し皆様に喜んで頂き、そこで得た利益を頑張ってくれている従業員に還元し、より業務に励んで頂く。それが上手くいけばオランダ型栽培や女性の農業進出が進んでいく。」そのような好循環を作ることが理想で、目標です。目標は高く、まだまだ課題は多いですが仲間と共に頑張っていますので、応援よろしくお願いいたします。インタビュー日時23年4月26日訪問先大分県 由布市 / おののミニパプリカファーム / 小野隆資 氏ご案内URL食べチョク:https://www.tabechoku.com/producers/27672Instagramhttps://www.instagram.com/ononominipapurikafarm/