加藤義貴さんは、東京都練馬区にある加藤トマトファームの代表であり、江戸時代から続く400年の歴史を持つ農家の13代目として、農業を継承しています。2021年からココカラのグローバッグCP4をご使用いただき、2024年には3作目を迎えます。今回は、楽しみながら新しい挑戦を続ける加藤さんから、農業の経営についてや、儲かる農業の秘訣を詳しく伺ってきました。▲お話してくださった加藤トマトファームの代表、加藤さん。◼︎江戸時代から400年続く、農業家系私は、江戸時代から続く400年の歴史を持つ農家の家系で育ちました。13代目として、農業を継承していますが、父とは別の経営を行っています。元々、私たちの農園では、キャベツを生産しており、その後は体験農園をメインに、一部「畝売り」をしていました。この「畝売り」とは、畝ごとに異なる野菜を栽培、地域の人々に販売する方法で、例えば10種類の野菜を1メーター感覚で植え、それを一人の顧客に販売するという感じです。トマトを選んだ理由は、ここは農地が10アールと狭いため、収益性を考慮したハウス栽培にしようと思ったから。近隣に珍しくトマトの養液栽培を行っている生産者さんがいたため、その技術を学ばせてもらいました。▲練馬区の住宅地にある加藤トマトファームのハウス◼︎栽培技術はどのように学ばれたんですか?栽培に関しては、まだまだ上を目指せると感じています。定期的に他の農園を見学したりしたり、施設園芸機器メーカーが主催する勉強会にも積極的に出席して、最新の情報を常にキャッチアップしています。栽培に関する情報はどんどん進化するので、常に情報を入手しないと置いていかれちゃいますからね。また「東京養液栽培研究会」という組織に所属していて、定期的に勉強会や飲み会を開催し、仲間と情報を共有しています。この組織を通じて、地域の農家と連携し、最新の技術や知識を交換しています。農業は常に進化しているので、こういった勉強を定期的に行うことは非常に重要だと感じています。さらに、東京都の「チャレンジ農業支援センター」も活用しています。このセンターは、新しい取り組みを行う農家を支援してくれる機関で、私たちにとって非常に頼りになる存在です。ここで得た情報や支援を活用し、常に最新の技術を取り入れ、さらなる成長を目指しています。◼︎収穫体験や国の制度を活用し、儲かる農業を実現うちではトマトの出荷だけでなく、トマト狩り体験も取り入れています。出荷が見込めない時は、こういったイベントを企画することで売上も安定しますし、お客様にも楽しんでいただくことができます。客層としては特にファミリー層に人気で、子供連れの家族が多いですね。募集をかけるとすぐに定員に達してしまいますし、リピーターも多くてね、収穫体験だけでやっていけるんじゃないかって思うくらいです。また、国からの助成金も活用しています。助成金を使って新しい設備を導入したり、展示会に参加したりすることで、農業の可能性を広げています。特に、新しい挑戦を行う農家に対する助成金は、経営の安定化と成長に欠かせないですね。▲加藤トマトファームのハウスで栽培されているトマト。◼︎加工品販売でファン定着ートマトの販売やイベント案内にはSNSも活用情報発信も戦略的にやっています。SNSを活用して、効果的に情報を発信しています。インスタグラムはフォロワーが5000人を超えていて、その内訳を分析するとフォロワーさんの大部分が練馬区や西東京市の住民の方なんです。投稿のタイミングも工夫して、夕方の一番見られる時間帯に情報を発信するようにしています。収穫体験の募集や販売情報は前日の夜にインスタグラムに投稿して、多くの参加者を集めています。さらに、商品にQRコードを付けて、購入者が簡単に情報をシェアできるようにしてるんです。こうした戦略的な情報発信が、収益の向上に大きく役立っています。▲加藤トマトファームのトマト。パッケージにQRコードを載せて情報発信も行う。ー今後の展望として、加工品の販売にも注力加えて、うちではトマトジュースやトマト羊羹などの加工品にも力を入れています。特にトマト羊羹は、トマトの甘さと羊羹の食感が絶妙にマッチしていて、お客様にとても喜ばれています。今度はトマト味噌を出そうかなって考えていたり。トマトを煮込むとグルタミン酸という旨み成分が出て、これが鰹出汁と相性がいいんです。自分の中で、「毎年1つは新しいことをしよう」と決めていて。毎年同じだとお客様もパートさんも飽きちゃうだろうし、農業で生計を立てる上でも大切だと思っています。▲加藤トマトファームの「トマトようかん」。農園前の自動販売機でも購入可能。◼︎やりがいは農業を通じた“人と人との繋がり”やりがいを感じる時は、やはりお客様と交流できる時ですかね。毎朝8時半にトマトを販売してるんですけど、朝から並んでくれるお客様がいるんですね。そこで会話をすることが多くて、「美味しかったよ」って直接言ってもらえるんです。やっぱりそういう声が聞けるのが、直接販売の魅力ですよね。お客様と対面で販売することで、コミュニティが自然とできてくるんです。お客さんが毎日来てくれて、「今日は何が美味しいですか?」とか、「昨日のトマトすごく美味しかった」なんて言ってくれるんです。こういったやりとりが、本当に励みになりますね。やっぱり農業って、お客様との繋がりが大事なんですよ。うちではトマト狩りや収穫体験を通じて、さらに多くの方と直接触れ合う機会を作っていますが、それによってお客様も楽しんでくれるし、こちらもやりがいを感じることができます。農業を通じて、人と人との繋がりを感じることができるのが、一番のやりがいですね。インタビュー日時2024年4月5日訪問先加藤トマトファーム 代表 / 加藤義貴氏 / 〒178-0064 東京都練馬区南大泉3-17公式ホームページhttps://kato-tomato-farm.jp/Instagramhttps://www.instagram.com/katotomatofarm/