生産者名:株式会社 寅福 生産地 :青森県 栽培作物:トマト 導入製品:ココカラバッグC80(80%チップ)、ココカラキューブ青森県むつ市に広がる「寅福菜園むつ市農場」は、地域資源を活用した循環型スマート農業を実現する大規模な植物工場として注目されています。2024年から、環境に優しい栽培基盤を提供するココカラの「ココカラバッグ」を導入し、持続可能な農業の推進に取り組んでいます。今回は、寅福菜園の代表・加藤夢人さんに、地域資源の活用からココカラ製品の導入による効果まで、現場での具体的な取り組みについてお話を伺いました。▲お話してくださった寅福菜園の代表・加藤夢人さんーー寅福菜園さんは、もともと北海道の会社さんですが、青森県むつ市に進出されたきっかけは何だったのでしょうか?むつ市での農業展開は、本当に偶然の巡り合わせでした。元々、私は「北海道にこだわらず、必要があれば全国どこでも農業に取り組んでいこう」と考えていました。とくに、北海道では冬に栽培が難しいので、栽培時期をカバーできるような場所を探していたんです。そんな中、2022年1月に東北最大の工場が閉鎖されるというニュースが飛び込んできました。むつ市では、この工場の閉鎖により約500人もの雇用が失われる状況に直面していたんです。知人である青森県議会議員の方から、「むつ市で植物工場を立ち上げ、地域に雇用を生み出せないか」という相談を受けました。私はすぐに「できますよ」と答え、4月にはむつ市長との面談の場が設けられました。▲寅福菜園むつ市農場(オランダ型フェンローハウス)の外観市長との話し合いでは、むつ市の地域課題と我々の技術がピッタリ合致していることを感じました。3.5haのオランダの先進的な温室技術を取り入れた植物工場を展開することで、100人を超える地元雇用を創出し、地域の活性化にも貢献できる。むつ市長もこのビジョンに賛同し、その場で事業化が決定しました。この事業は、オランダの先進的な温室技術とも融合しており、オランダのウエストラント市との友好交流協定も締結されるなど、国際的にも注目を集めています。私は「課題はチャンス」という信念を持って取り組んでいます。今回、地域の“困った”に対し、植物工場という手段で応えることで、結果的に新たな雇用も生み出すことができたんです。ーーそんなチャレンジングな経緯があったんですね。むつ市では具体的にはどんなことに取り組んでいらっしゃいますか?本州最北端に位置するむつ市の特徴のひとつは、土地の85%が森林であることです。私はそこに着目し「建築材にならない木材をチップにして、エネルギー源として活用できないか」と考えたんです。また、排ガス浄化装置というものを開発して、バイオマスボイラーから排出される排ガスを綺麗なCO2に変換することで、植物の光合成に利用できる形を生み出しました。むつ市と森林企業、そして下北森林組合と連携することで、森林資源を活用した循環型のバイオマスエネルギー事業が可能になりました。この取り組みによって、私たちはGX協定を結び、森林企業とも協力しながら地域資源を活かしたエネルギー利用を実現しています。こうしてむつ市全体で持続可能な農業を支える基盤ができ、地域の力を農業に還元できると考えています。ーーむつ市農場では、スマート農業にどのような技術を導入されていますか?様々なスマート農業技術を導入していますが、例えば、むつ市は日照時間が少ないためLEDライトを利用して冬季もトマトを安定栽培することで地域課題であった冬場の雇用についても解決したり、周年マーケットに供給でできるような作型の導入によってお客様の棚に安定供給することが可能になりました。また、地域の資源(木材)を工場の熱エネルギーとして利用することで社会課題であるカーボンニュートラルに取り組んでいたり、さらにバイオマスボイラーからの排ガスを浄化してきれいなCO2にすることで排ガスをトマトの光合成に利用してます。さらに、来る時代は人手不足のためAGV(無人搬送車)を導入し、人がやらなくてよい仕事は機械化することで、人と機械が協働する職場となっており近未来的な農場となっております。▲LEDを導入したむつ市農場ーーそんな中で北海道では2022年よりココカラ製品の「ココカラバッグ」を導入してくださいましたが、ご利用を続けてくださっている理由を教えてください。ココカラバッグを使い続けている理由は、まず産業廃棄物にならないということ。そして環境に優しいこと、それに加えて価格面でもメリットがあります。また、ココカラは製品の形の枠を固定しすぎず、オーダーメイドで調整してくれる。例えば私が『なんかこういうのやってみたいな』とか『このブレンドにしたらどうなるんだろう』『こういうサイズってはまったりするのかな』といった疑問や好奇心に応え、新しいアイデアを形にする柔軟な対応をしてくれる。現場のニーズや栽培条件に合わせて、きめ細かくカスタマイズしてくれるのがありがたいですね。こうした柔軟な対応もココカラを選ぶ大きな理由です。▲むつ市農場のハウスの中の様子ーーありがとうございます。私たちは、生産者の方々と「もっと良いものを」という思いを共有し、共に新しいことに挑戦していく関係でありたいと考えています。いただいたご提案は即座にインドの現地工場と連携し、試作品をスピーディに作り上げる仕組みを整えていますので、いつでもご相談ください。それでは最後に、将来の展望についてお考えをお聞かせください私たちの考えの軸は「お客様の課題を一緒に解決していく」こと。農業には、収穫量や売上だけでなく、地域の問題やお客様のニーズに寄り添うことが必要だと思っています。そのため、課題を解決していくことが、私たちにとってのやりがいでもあります。具体的な目標や数値ではなく、目の前のお客様の課題に対してどう応えていくかを一番大切にしています。今回のむつ市での挑戦も、「地域の課題を解決したい」という思いが原動力でした。最終的にはむつ市からスマート農業を発信していく、そんな未来を目指してこれからも農業を通して地域に貢献していきたいと考えています。ーー本日はありがとうございました。「お客様の課題を一緒に解決していく」という加藤さんの軸は、私たちココカラと共通する部分ですよね。私たちも、生産者の皆さまの課題に耳を傾け、常に寄り添うことを心がけています。目指すのは、生産者の方々とともに持続可能な農業を発展させることです。これからも寅福菜園さんの課題解決に貢献し、一緒に新たな未来を築いていけるよう尽力してまいります!課題解決のお手伝いができるよう、一緒に歩みを続けさせていただければと思います!