生産者名:Show Farm生産地:静岡県掛川市栽培作物 :トマト導入製品 :ココカラ・プレタ高品質なトマトを年間通じて安定的に生産・出荷する「Show Farm」(静岡県掛川市)様 。養液栽培の中でも珍しい「極少量培地耕」という栽培方法でトマトを生産されています。2025年秋から、従来のココピート培地に加え、ココカラ合同会社の培地『ココカラプレタ』を導入いただきました。今回のインタビューでは、Show Farmの栽培へのこだわりや、ココカラプレタの導入メリットを代表の渡邊将己様に伺いました。(ココカラ・プレタの製品詳細はこちら)ーー農園の概要を教えてください。渡邊様:静岡大学大学院農学部を修了後、農業関係の会社勤務を経て、2022年7月に ShowFarm開業を開業しました。トマトの根を張らせる領域(根域)を小さく制限し、トマトの樹に適度なストレスを与えることで品質アップを目指しており、ポットを用いた「極少量培地耕」で生産しています。また、年間を通じて、高品質なトマトをお客様に届けられるように「リレー栽培」を行っています。農園は5つのエリアに分かれていて、定植時期を約1ヶ月ずつずらすことで、年間を通じてほぼ毎月トマトを収穫し、安定的に出荷できる体制を整えています。↑ 今回お話をお伺いした渡邊さんーーポットによる極少量培地耕はどのように行われていますか?渡邊様:まず育苗庫で育苗し、育苗庫で約3週間育苗した後、9cmポットへ鉢上げします。鉢上げの際にココカラプレタを使用します。鉢上げ後は約10日間手潅水を行い(2次育苗)、その後本圃に定植します。株式会社誠和の統合環境制御システム「プロファインダーNext80」を導入し、温度、湿度、日射量、外気温などを測定し、パソコンでデータ管理を行っています。暑い時期は根域を冷やす目的で潅水量を増やしますが、極少量培地耕の場合、培地の乾きが早く過湿になりにくいため、根腐れが起きるリスクを回避できます。これにより夏場でも弊社ではトマトの生産が可能となっております。ーーこれまでの培地で何か課題はありましたか?渡邊様:ココカラ・プレタを導入する前は、違うココピート培地を使用していました。従来のココピート培地を使用していた時は、着果負担が最大化する第3果房着果期あたりから生育不良になりやすかったです。そのタイミングで、水を吸う量や肥料成分の吸収バランスが崩れて、ECやpHが理想的でない値になっていました。結果として、4段目以降の花質が悪くなっていました。また、少量培地は乾きやすいのが利点ですが、天候が急変するとリスクにもなります。特に秋口など、曇り空から急に強い日差しが差すと、培地内の水を吸えず、株が萎れてしまうことがありました。その萎れが根にダメージを与え、数日続くと生育に影響してしまっていました。ーーココカラ・プレタを導入いただいていかがですか?渡邊様:こうした課題を解決するために『ココカラ・プレタ』を導入したのですが、決め手になったのは、その「保水性」と肥料成分の「吸着の少なさ」です。導入当初は、従来の培地よりもしっかりと保水するので、少し管理が難しいなと感じることもありました。ですが、栽培に慣れてくると、この保水性が大きなメリットだと気づいたんです。例えば、秋口に天候が急変して日差しが強くなっても、『ココカラ・プレタ』を使っている区画の株は元気にしています。9cmポットというリスクの大きい栽培方法の中で、この安定感は非常に大きいです。生育後半も樹勢が落ちにくく、以前のようなスタミナ切れも起きにくくなりました。また、どれだけ乾かしても、プレタは水をかければちゃんと吸水します。仮にロックウールが同じくらい乾いてしまったら水を弾いてしまうので、その点もすごいなと感じます。↑ ココカラ・プレタによる栽培の様子↑ ココカラ・プレタ使用時の根張りの様子ーーpH値もココカラプレタがより理想的だとおっしゃられていましたよね。渡邊様:導入後の効果は、日々のデータにもはっきりと表れています。私たちは毎日、給液と排液の量、EC、pHを測定しているのですが、その数値が従来の培地とは違うんです。理想的な状態では、排液のpHは給液に対して1.0程度上がるのが良いとされていますが、『ココカラ・プレタ』はまさにその通りの数値を示してくれます。一方で、従来の培地では1.3から1.4、時には2.0近く上がってしまうなどばらつきがありました。またプレタの場合、ECは与えた分だけしっかり吸収されている証拠に、きれいに下がってくれます。この差が生まれる理由として、培地への「肥料の吸着のしにくさ」があるのだと思います。与えた肥料が培地に無駄に吸着されず、効率よくトマトの根に吸収されています。実際に2025年10月と11月における他社さんのココピートとココカラ・プレタを比較したデータを見てみます。養液の肥料成分が効率良く利用されていれば、ECの下降量(給液EC-排液EC)は正に大きくなり、肥料成分を吸わず水のみを選択的に吸収していれば負に大きくなります。プレタの方がECの下降量は大きいので、効率良く肥料成分を利用できていると言えます(図1)。↑図1また、pHの上昇量については、通常であれば排液pHが給液pHに対して1.0前後上昇していることが望ましいです。しかし排液pHが上昇し過ぎて培地内がアルカリに偏りすぎると根痛みを起こします。プレタは程よく上昇していることがデータからわかります(図2)。↑ 図2ーー潅水管理はどのように行われていますか?渡邊様:潅水システム「養液王700」を使用して「少量多頻度給液」を行なっています。潅水のタイミングは「日射比例制御」により、天候に応じて潅水制御しています。1回の潅水量は30ml/株で、1日の潅水回数は成木で30回程度、日射量の多い時期だと40回程度かかる時もあります。このように、極少量培地耕では養液栽培の中でもかなり細かい潅水管理を行なっています。今までの弊社が行なっていた潅水管理ではココカラプレタだと加湿気味だったため、ココカラの担当の方にプレタの三層分布を聞き、ココピートの三層分布と比較しました。やはりプレタの方が液層の割合が多かったため、割合を計算し1回の潅水量に当てはめました。その結果プレタの場合は1回の潅水量が35ml/株で、ココピートよりも潅水頻度を下げて管理することで、最適な潅水管理となりました。給液濃度は鉢上げ後から第一果房開花期まではEC1.0前後で管理し、その後次の段が開花したらEC0.2ずつ濃度を濃くしていき、摘心頃にEC1.8となるよう濃度変更していきます。これはココピートもココカラプレタも同じ濃度管理で行なっています。排液率は午前中で25%前後、午後で10%前後となるよう管理しています。極少量培地耕は培地が乾きやすいため、夜間も1回タイマー給液で潅水を入れています。前述したように、ココカラプレタと従来のココピートの違いとしては、プレタの方が植物の利用できる「有効水分」が多いということです。これは養液に溶け込んでいる肥料成分についても同じことが言えます。実際に給液ECに対して排液ECの下がり方はプレタの方が大きいです。また、排液pHの上がり方もプレタの方が適切な値を示します。樹姿についてもプレタの方が葉色が濃く、成長点付近の生育も健全でした。なにより極少量培地耕の欠点を、プレタ利用により改善されたことで、高品質果実のさらなる安定生産が可能になったと感じております。ーー最後に今後の展望を教えてください。渡邊様:今後は、ココカラさんと協力しながら、さらに栽培の最適化を進めていきたいです。例えば、夏場はより排水性の高い培地「ココカラブリケット」を使い、涼しくなる秋口からは保水性の高い「ココカラ・プレタ」に切り替えるなど、季節ごとの使い分けも試していく予定です。今後も、お客様のニーズに応え、年間を通じて美味しいトマトを安定供給していきたいです。やっぱりこの安定生産がやっぱり農家の1つの使命だと思います。ーー貴重なお話をお伺いさせていただき、ありがとうございました。