施設園芸のエキスパートでトマトの栽培を行われている株式会社明野九州屋ファーム様。高品質なトマトを安定して生産するためには、苗の段階での緻密な管理が不可欠です。今回は、ココカラ合同会社の育苗用培地「ココカラキューブ」を活用し、収量を最大化するための栽培管理の秘訣について、村澤直樹さんに詳しくお話を伺いました。トマト栽培の成功は苗作りから。”仮定植”という工程が未来の収量を左右するーーココカラキューブをどのように使用されていますか。村澤さん:トマト栽培の成否は、育苗期間、特に「仮定植(かりていしょく)」の段階で大きく左右されます。仮定植とは、本圃のスラブに植える前に、一度キューブのような小さな培地で育てる工程のことです。なぜこれを行うかというと、一つは定植後の根張りを良くするためです。キューブの中でしっかりと根を張らせておくことで、スラブに移した後の活着がスムーズになります。もう一つの重要な目的は、苗にあえてストレスをかけることです。苗はストレスがない環境だと、葉や茎ばかりが茂る「栄養成長」に偏ってしまいます。そこで、キューブという限られた根域で水分をコントロールし、適度なストレスを与えることで、花や実をつけようとする「生殖成長」へとバランスを整えてあげるのです。この管理が、後の花数や着果に直接影響する、非常に重要なポイントになります。ココカラキューブだからできること。苗にあえてかける”攻めの水分管理”とはーーココカラキューブを使用されて、どのようなメリットを感じていますか。村澤さん:仮定植で理想的なストレスをかけるために、ココカラキューブの水分コントロールのしやすさが役立っています。具体的には、キューブの重さを量りながら、含水率が目標値になるまで水やりを待つ「ドライダウン」という管理を行います。このドライダウンの度合いは、品種や定植する季節によって変えています。例えば、栄養成長に偏りやすい大玉トマトや、日射が弱い冬の栽培では、含水率が50%になるまで、つまり培地の水分の半分を吸わせてから次の水やりをするような、かなり強めのストレスをかけることもあります。一方で、日射が強く乾燥しやすい春先などは、植物の状態を見ながら30%〜40%のドライダウンに調整します。このように、栽培者の意図通りに攻めの水分管理ができるのが、ココカラキューブの大きな利点ですね。一度乾いても大丈夫。「戻せる安心感」がロックウールにはない大きな魅力ーー以前はロックウールの培地を使用されていたそうですが、ココピートと比較してどの様な違いを感じていらっしゃいますか。村澤さん:以前はロックウール培地も使っていましたが、ココカラキューブには「一度乾いても戻せる」という大きな安心感があります。ロックウールは、一度培地の上部が乾いてしまうと水を弾いてしまい、元に戻すのが非常に難しいんです。その点、ココカラキューブはヤシガラが主原料なので、上から点滴で給水すれば、乾いた部分にもじわっと水が浸透してくれます。特に苗が小さいうちは培地が乾燥しやすいので、この復水性の高さは管理する上で本当に助かります。また、苗の生育にばらつきが出た時の対応力も違いますね。ロックウールは一つひとつがシートで覆われているので個別に管理するしかありませんが、ココカラキューブはキューブ同士をくっつけて置くことで、水の吸いすぎや不足を互いに補い合うことができます。3つのキューブを寄せれば、3つで一つの大きな培地のようになり、水分の状態が平均化されるので、苗のばらつきを抑えながら管理できるんです。良い苗は根を見ればわかる。ココカラキューブが育む理想的な根の状態とは村澤さん:良い苗かどうかは、根の状態を見ればわかります。ココカラキューブで育てた苗は、太い根がまばらに伸びるのではなく、細くて白い根がびっしりと密に張る傾向があります。この細かく密な根が、水分や肥料を効率よく吸収するための理想的な状態です。キューブの中でこうした良い根をしっかり作っておくことで、定植後の活着が早まり、スラブ全体に素早く根を広げることができます。スラブに早く根が張れば、その分早くドライダウン管理に移行でき、生育のコントロールがしやすくなります。良い根を作ることが、将来の安定した収量につながっていくんです。「良い苗」こそが最大の武器。生産者の技術を最大限に引き出す培地の役割ーー今後の展望を教えてください。村澤さん:結局のところ、高品質なトマトを安定して作るためには、生産者自身の知識や技術、そしてそれを正確に実現してくれる資材が不可欠です。究極を言えば、育苗業者が均一でバランスの取れた素晴らしい苗を納品してくれれば、栽培の苦労は半減します。しかし、現状では苗の品質にばらつきがあることも少なくありません。だからこそ、私たち生産者がそのばらつきを補い、理想の状態に導いていく技術が求められます。ココカラキューブのように、水分を自在にコントロールできたり、根張りを良くしたりと、生産者の細かい技術や意図に応えてくれる培地は、これからの施設園芸においてますます重要になっていくと感じています。これからも、こうした優れた資材を使いこなしながら、理想の栽培を追求していきたいです。ーーインタビューのお時間をいただき、ありがとうございました。関連記事「ココカラキューブ」の製品詳細はこちら「ココカラキューブーより効果的に使用する7つのポイントー」はこちら