生産者名:高原のエコーズ 鈴木慎吾 氏生産地:長野県諏訪郡富士見町境1270-1栽培作物:夏イチゴ導入製品:ココカラバッグCP2、ブリケットHP:https://www.kougennoechoes.com/Instagram:https://www.instagram.com/kougen.no.echoes/長野県諏訪郡にある「高原のエコーズ」は、夏イチゴを専門に栽培する農場です。2024年から「ココカラバッグ」と「ブリケット」を導入し、現在1作目を栽培中。代表の鈴木慎吾さんに、栽培方法やココカラ製品の使用感についてお話を伺いました。▲今回お話してくださった高原のエコーズの代表 鈴木慎吾さん ーーココカラ製品を導入された背景を教えてください。鈴木さん:以前、冬に栽培指導で甲府の冬いちごの現場に行ったことがあり、その時ココカラと出会いました。今までは、こういった養液栽培は土を主体にした土耕栽培に比べ水切れが早すぎると思っていたんですけど、意外と水持ちが良いと知りました。ココカラピートの理想的な粘りやしっとり感は、なかなか狙っても作れないなと思って。それで「ココカラバッグ」と「ブリケット」を導入しました。ーーココカラピートの水分保持力は実際にご利用いただいてどうですか。鈴木さん:水分量をちょうど良く維持してくれますね。イチゴは、健康で元気に育つことでそのポテンシャルを最大限に引き出すことができる作物なので、水分量が適切だと、糖度だけでなく、味の濃さや風味がしっかりと感じられ、さらに収穫量も自然と増加します。トマトのようにストレスを与えて甘さを引き出す手法は、イチゴには通用しないと思っていて。水分が十分に供給されることで、イチゴの実に栄養が行き渡り、結果として味の濃さが増すんです。特に夏イチゴは気温や太陽光に対応するために、どんどん新鮮な水をかけてあげないといけない。だから灌水回数も多くしています。その点、ココカラピートは保水力も程よくあって、乾いてもまた湿ってくれる。水分はしっかりと保持される一方で、必要な分だけがうまく排出してくれるのが、ココカラピートの良さだと思います。ーーピートモスとの違いはどんなところにあると思いますか。鈴木さん:ピートモスと違って、ココカラピートはイチゴが弱りかけてしまった時の立ち上がりがいいですよね。そして、悪変化はゆっくりだけど回復も早い。保水力が高い培地で肥料設計をミスした場合、その濃度が高すぎると取り返しがつかないんですよね。そのため、溜め込まずリカバリーが早いことは、非常に重要だと思います。「マリオカート」で例えるならピートモスはクッパで、ココカラピートはヨッシー。クッパは重量があって初速が遅いものの、最高速は最強なキャラクター。だから、絶対にミスをしないマリオカートの達人ならクッパの方がいいかもしれない。一方で、ヨッシーは軽量で立ち上がりが早く、ミスをしても取り返しやすい。だからみんなマリオカートするときにヨッシー選びがちじゃないですか。私もミスしてもリカバリーできるヨッシー派です。ーーココカラバッグとブリケットの違いを教えてください。鈴木さん:グローバッグとブリケットで比較すると、最初はグローバッグの方が良かったんですよ。その理由は、ラッピングがしっかりしてるから。ちょっと圧縮している、もしくはパンパンになっていて、粘性も良い。でも今は、ブリケットの方が好きかもしれないです。株間をグローバッグより5cmあけて植えたので、窮屈な感じもなく、木がどんどん強くなっていて、パワフルです。また、培地の中に隙間も作っています。特に私は夏栽培なんで、培土は冷やしたほうがいいんです。丸出しになって温度が篭らないブリケットは、その点でも気に入っています。自分好みにカスタマイズできるブリケットはいいと思います。▲ブリケットを使用して、敢えて隙間を作り、栽培。ーー実際に導入して、新たな発見はございましたか。鈴木さん:微生物が育ちやすいのも、ココカラピートのメリットだなって感じました。私は毎日、腐植液を加えて培土として作り込んでいます。言うなればココカラピートは物理的なもので、そこに有機性を加えるような感覚。ココカラピートは「とても質の良いスポンジ」みたいなイメージですかね。地球温暖化の影響で今後気候がどうなるかも分からないですし、土耕栽培で土を作り込むよりもリスクは少ないですよね。ダメになったら捨てるなど、切り替えることもできます。ココピートから放線菌の匂いがするようになったら、きちんと育っている証拠です。新品のココピートには放線菌の匂いがないんですよね。だからこそ、最初の1年目の培地はとにかく“汚す”ことを意識しています。実際にココカラピートを導入して4ヶ月ほどですが、放線菌の匂いがしてきています。順調に育ってきていて、2年目が楽しみです。▲培地の匂いを確認する鈴木さん▲「長野八ヶ岳の夏イチゴ生産販売」高原のエコーズのハウスこのようにココカラ製品を活用した健康的な生育環境づくりで、おいしい夏イチゴ栽培をしていただいています。高原のエコーズの鈴木さま、お話をお聞かせいただきありがとうございました。