生産者名:すまいるふぁーむ藤本(藤本耕司氏)、株式会社東馬場農園(東馬場怜司氏)生産地 :兵庫県栽培作物 :イチゴ導入製品 :ココカラポット兵庫県でイチゴ育苗を手がける「すまいるふぁーむ藤本」では現在、ココカラの「ココカラポット」を使用した育苗の実践により、安定した苗作りに取り組まれています。代表の藤本耕司さんは今後、「株式会社東馬場農園」の東馬場怜司さんと共同でイチゴの育苗事業を拡大する計画も進めています。今回は藤本さんに、ココカラポット導入のきっかけやその効果、今後の展望についてお話を伺いました。▲今回お話いただいた、藤本耕司さん(左)と東馬場怜司さん(右)ーーココカラポット導入のきっかけはなんですか?藤本さん:いくつかあるのですが、まずは作業性です。これまでは紙ポットに混合培地を詰めて育苗をしていましたが、ポットに培地を詰めるという作業に時間がかかっていました。現在僕のところではイチゴの苗を3万本生産していますが、今後は東馬場さんと一緒に合同事業として、イチゴ苗の生産規模を15万本に拡大する計画を立てているため、この作業の手間がネックとなっていました。そんな時に、ココカラさんから東馬場さんへ育苗ポットの案内があり、品質も良いとのことで気になり導入したのがきっかけです。ーーココカラポットのサイズや構造について、どのように感じていらっしゃいますか?藤本さん:ココカラポットは、トレーに入れたときに倒れにくく、絶妙なサイズなのでとても気に入っています。ポットが小さすぎると、トレーの中で倒れてしまい、植え付け作業が大変になってしまうんです。さらに膨張率も一定だから形が崩れず、安心して育てることができています。イチゴは、ポットの向きによって花の芽が出る位置が変わるんです。このようにポットが安定していることで真っ直ぐな苗をつくることができています。▲トレーにぴったりとおさまっているココカラポットーー水持ちの良さや膨張率についてはどうですか?藤本さん:以前使っていたポットは細かい粒が多く、水分を持ちすぎてしまうことがありました。特に夏場は水が温まりすぎて根腐れしやすくなってしまって。その一方で、ココカラポットには適度に粗い粒が揃っている。実は最初、きちんと水を吸い上げているか気になったんです。でもその後に根が成長して張ってくれれば、しっかりと水を吸い上げてくれた。ココカラポットにしてから水分管理がしやすく、根腐れのリスクも減りました。ーー従来の混合培地でのポット育苗と比べて、根の状態に違いはありますか?藤本さん:従来の混合培地を使ったポリポットでは、根が巻いてしまい、黄化苗になってしまうことがありました。でも、ココカラポットでは根がしっかりとまっすぐ伸びるので、苗の成長も安定しやすいです。私が考える理想的な苗というのは、最終的に収量が多くなる苗。冬を越すための力が苗に備わっていることが収穫量に影響するため、丈夫なクラウンと根張りについては、意識しています。特に栄養をしっかり蓄えられる丈夫な根を持つことは、とても大切。ココカラポットのおかげで、この理想の苗づくりに近づけているんじゃないですかね。▲ココカラポットで育苗したイチゴ苗の根の様子ーー今後、さらに改善できる点はありますか?藤本さん:不織布(ポットを覆う布)がやや厚めなので、もう少し薄いと管理がしやすいかもしれません。生分解性のものにしてもらえると、よりありがたいですね。でも、不織布の厚さが苗の生育を安定させるのに役立っている側面もあって。生育初期の根の突き破りのために、並べる時には少し手間がかかることもありますが、その後の根の成長が落ち着いてきます。不織布が薄いと、初期に根が多く突き出すものの、後々ポットの下部に根が密集しすぎて水が行き渡らないことが多いんです。その点、ココカラポットは底面からの水分吸収が安定し、根を切るという作業が不要になります。それとココカラポットの中心部を少し柔らかくしてもらえると、作業がもっと楽になると思います。ピンが挿したくても、カッチカチで挿しにくかったり、ピンが曲がることがあるんです。ーーありがとうございます。今後もご意見をもとに、より使いやすいものに改良していくことができればと思います。藤本さん:ココカラは、今回のように私たちの意見や現場の要望をしっかり聞いてくれて、製品改良に反映してくれるので本当に助かっています。生産者の声を受け止めてくれる姿勢があるから、私たちも安心できる。今後、品種がすぐに分かるように、ポットに工夫ができればと思っているのですが、それもぜひ相談してみたいです。ーー面白いですね。今後できるように、ぜひ確認してみましょう。藤本さん:今後は藤本さんとの合同事業で生産量を15万本に増やす計画なんです。ココカラとはこれからも一緒に改良を続け、理想の製品を一緒に作っていきたいですね。藤本すまいるふぁーむと株式会社東馬場農園は、ココカラと協力して理想的な育苗環境の実現を目指しています。共に改良を重ね、イチゴ育苗の未来を切り開いていきます。藤本さん、東馬場さん、ありがとうございました!▲定植後のイチゴ苗の様子