ココピート培地の使用量が増えるにしたがって、廃棄される使用済みのココピート培地も増加します。使用済みのココピートは、廃棄やすき込む以外にもさまざまな活用方法があります。将来も見据えて、効果的に再利用(リサイクル)するための9つの方法を紹介します。今回ご紹介するココピート培地の再利用方法は、個人の生産者だけでできることから、地域の生産者や業者と協力して行う方法、地域をあげて取り組む必要があるものまでさまざまです。方法1【個人でできる】農場での堆肥化使用済みココピート培地の再利用において、堆肥化は有効な選択肢の一つです。堆肥化プロセスでは安全性の確保した上で進めましょう。堆肥化には二つの方法があります。一つは、病原体を確実に死滅させるための徹底的な殺菌処理です。もう一つは、長期間の自然放置により病原体を減少させる方法です。どちらの方法を選択するかは、利用可能な設備や時間、そして求められる安全性の水準によって異なります。堆肥化の手法としては、使用済みココピート培地を他の有機残留物と混合して堆肥化する方法があります。これにより、多様な栄養素を含む均衡の取れた堆肥を生産することができます。もう一つは、ココピート培地のみで堆肥化を行う方法です。ココピート培地単独で堆肥化を行う場合、適切な炭素と窒素の比率(C/N比)の維持に注意しましょう。C/N比は堆肥の品質と分解速度に直接影響を与えるため、場合によっては、追加の窒素源を加えたり、他の有機物質と混合したりする必要があります。C/N比とはC/N比とは、有機物に含まれる炭素(C)含有率(%)と窒素(N)含有率(%)の比のことをいいます。C/N比20〜30を基準とし、微生物の分解は、低いほど速く、高いほど遅いです。また、C/N比が低いと堆肥の完熟度合いが高く、高いと未熟です。(堆肥化記事をリンクづけ)https://cococara.jp/20201105-01/方法2【個人でできる】土壌改良材として使用する使用済みココピート培地に病原菌が確認されず、また、ココピート培地で栽培していた植物とは別の植物であれば、土壌改良材として使用できます。病原菌についても、太陽熱や燻蒸による管理が比較的容易な再利用方法です。参考:【長野】 畑地の作土量を増やし効果的に利用(https://cococara.jp/cases/case/cocresidue)オランダなどの施設園芸が盛んな地域では、有機リサイクル業者や販売会社が使用済みココピートを回収し、堆肥化などを行い再利用する例もあります。方法3【地域の生産者が協力】キノコ栽培用の培地として利用するキノコ栽培において、使用済みココピート培地を再利用する方法があります。ただし、病原菌が存在しておらず、異物混入がなく、細かく粉砕された安定した状態であることが条件です。「キャッピング」とは、キノコ栽培時に、原木に均等な荷重をかけるために、その表面を平らに仕上げる作業です。適切に処理されたココピート培地は、この目的に適しています。方法4【地域の生産者が協力】畜産用のベッドとして活用するココピート培地に混ざり物がなく、細かく粉砕されており、ほこりが少ない場合、畜産用の資材として再利用できる可能性があります。具体的には、養鶏用のベッディング材やペット用トイレの砂の代替品として使用できます。これらの用途では、ココピート培地の高い吸収性や臭気抑制効果が活かされます。方法5【地域の業者が活用】販売用の堆肥に混ぜ込む販売用の堆肥に使用済みココピート培地を混ぜ込むためには、地域にある堆肥の製造会社と共に、製品開発や物流に取り組みましょう。地域の堆肥製造会社との協働は、使用済みココピート培地の処理問題を解決するだけでなく、この取り組みは地域内での資源循環を促進し、地域経済の活性化にもつながる可能性があります。方法6【地域の業者が活用】園芸用培土(ポッティングミックス)に加える使用済みココピート培地の新たな活用方法として、園芸用培土への再利用もあります。ただし、使用済みココピート培地を園芸用培土に混ぜ込む際には、使用する培地には異物や病原菌が含まれていないことが絶対条件です。これは、新しい培土の品質と安全性を確保するために不可欠です。次に、培地は細かく粉砕されている必要があります。これにより、新しい培土との均一な混合が可能になります。使用量に関しては、新しい培土の容量の30%を上限とすることが推奨されています。この比率を守ることで、培土の物理的特性や栄養バランスを適切に保つことができます。方法7【地域全体で取り組む】|活性炭への変換石油燃料に代わる燃料として、使用済みのココピート培地をバイオ炭として活用できる可能性があります。バイオ炭とは、未利用資源を炭化し、土壌に入れることで、土壌改良と二酸化炭素の固定に役立つ技術です。条件としては、経済的に可能であること、地域にバイオ炭を製造できる設備があること、使用済みココピート培地を引き取る準備ができていることなどです。生産者グループや協同組合などが地域全体で取り組むことで実現の可能性も見えてきます。方法8【地域全体で取り組む】ブリケットまたはペレット状の燃料として利用する使用済みのココピートを燃料として利用する方法もあります。すでに地域でブリケットやペレット状の燃料が生産されている場合には、合理的な選択でしょう。方法9【地域全体で取り組む】バイオガスを生産するバイオガスがすでに生成されている環境では、使用済みココピート培地の再利用の幅が広がります。このプロセスで発生するガスや電気、さらには灰などの副産物を効率的かつ有益に利用できる体制が整っていれば、使用済みココピート培地は単独でも、あるいは他の有機物質と混合しても再利用ができます。参考:Coir Waste Management for Hydroponics in Berries (Hort Innovation)Don’t waste coir from hydroponics (Hort Innovation)Composting (United Nations)ココカラとしても課題として取り組んでまいります使用済みココピートの再利用に関しては、ココピートの製造・販売を行う弊社としても重要な課題だと認識しております。生産者様の負担をかけずに再利用できる仕組みづくりはできないか、様々な事例をお聞きしながら今後も検討してまいります。