<目次>施設園芸など養液栽培において、園芸培土(培地)は栽培の要の一つです。培地の種類は多様で、その中でもココピート(注:cococaRaでの製品名はココカラピート)、ロックウール、ピートモスの3種がよく使われています。ここではココピートとピートモスの違いについて解説します。ココピート(ヤシ殻培地)とはココヤシのハスク(中果皮:ココナッツの殻の内皮にある繊維や粒)を原材料として、0.1〜10mmに粉砕した粒を利用した有機培土です。主な生産国はインドやスリランカで、有機質100%であること、高い保水性を持つことから、多くの国で使用されています。もともとマットやロープなどのヤシ殻製品を作る際に捨てていた部分を活用・加工しているので、原材料の調達方法も地球にやさしいことが大きなメリットになります。また、使用後は畑にすき込んで土壌改良剤として再利用ができます。pHは5.5〜6.0の弱酸性から中性です。ココピート使用における注意点ココピートを使用する際に気を付けるべき2つのポイントです。アク抜き・塩抜きの要・不要を確認する最近ではココピートの品質が向上し、使用前の水によるアク抜きや塩抜きの必要性は減ってきています。しかし、まだまだ前処理が必要な製品もあるため、購入前には必ず確認してください。cococaRa製品は、腐食したココナッツの殻から取り出したココピートを、数ヶ月間保管した後に繰り返し洗浄しているため、使用前のアク抜き・塩抜き処理は不要です。作物に合った製品を選ぶココピートは、製品によって、サイズや0.5mm以下の微粉の配合量が異なります。保水性、通気性、排水性などの観点から作物や使用目的に適した最適な製品を使用しましょう。(ココカラココピートの作物別製品一覧・成分表はこちら)ココピートの詳細やメリット・デメリットが知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。ココピートとは。メリット・デメリットまで徹底解説!ピートモスとは?ピートモスは、カナダ、北欧、北海道などにあるミズゴケ、アシなどの植物が堆積して腐食化した泥炭を脱水・粉砕・選別したものです。保水性が高く、有機培地は培養液中の養分を吸着しやすく、保肥力はココピートより高いのが特徴です。また、軽量、安価で肥料もちが良く、ココピート同様に使用後は畑にすき込んで土壌改良剤として再利用ができます。しかしピートモスは、原料が堆積している土地の水位を下げて、乾燥させて採掘するため、環境への負荷が懸念されています。ピートモスは限りがある資源だと言うことを忘れてはいけません。(関連記事:「ココピートモス(CPM)」を新発売 ー“ピートモスの代替”など豊富な用途に使用可能ー) ピートモス使用における注意点ピートモスを使用する際に気を付けるべき4つのポイントです。水分過多に気をつける栽培が進むうちに、繊維の復元が弱くなり、容積が小さくなります。そのため、ピートモス中の気相率(空気やガスの占める割合)が低下し、液相率(水が占める割合)が高まり、水分過多になってしまう場合があります。毎年交換が必要繊維の復元が弱くなるため、1年ごとに交換が必要です。撥水性に気をつける作物に水分ストレスを与える目的で、ピートモスを極端に乾燥させてしまうと、水分をはじいてしまう特性があります。pHが低いので調整が必要ピートモスはpH4.0〜5.0と酸性のため、石灰を加えて中和するなど、使用する前にpHの調整が必要です。ココピートとピートモスはどちらも有機培地ですが、それぞれの特徴も使用上の注意点も異なります。正しく理解して使用しましょう。ピートモスの代替品「ココピートモス」を開発・発売本記事で解説したピートモスは、日本国内でも供給不安や価格高騰の課題が指摘されています。ココカラ合同会社はその課題解決の一助となるよう、2024年3月にピートモスと同じ用途で利用できる製品を開発いたしました。ピートモスと同等の成分値を実現し、土壌改良、有機肥料、濃縮堆肥など様々な用途にご使用いただけます。製品に関してご興味のある方は、是非お気軽にお問い合わせください。プレスリリース:「ココピートモス(CPM)」を新発売 ー“ピートモスの代替”など豊富な用途に使用可能ー