ブラックピート(オールドピート)は、育苗には欠かせない資材です。ピートモスやココピート、木材バークなどを長年かけて発酵・腐植させた貴重な資源で、野菜や花の播種・育苗だけでなく、土づくりなどにも活用されます。本記事では、ブラックドピートの特徴や活用方法、使用メリットについてご説明します。ブラックピートとはブラックピートとは、オールドピートや黒ピートとも呼ばれ、育苗には欠かせない資材です。ブラックピートは、ピートモスよりも腐植が進み、数千年以上堆積した状態のものを指します。また、ココナッツの殻(ハスク)を破砕し、10年以上屋外で発酵させた堆肥(コンポスト)、つまり熟成させたココピートもブラックピートと呼ばれます。その他、木材のバークを発酵させたブラックピートも存在します。このように、ブラックピートは出来上がるまでに長い年月を要する貴重な資源です。ブラックピートの活用方法ブラックピートは、野菜や花の播種・育苗用や、ソイルブロックとして利用されます。それだけでなく、腐葉土の代わりとして土づくりに活用されることもあります。どんな育苗にも利用できますが、以下にいくつか例を示します。イチゴの育苗培土通気性のよい無病土、促成栽培の場合は肥料分が少ない土が適しています。赤土や鹿沼土、ブラックピートなどと、ピートモスやココピートを混合した培土は物理性が向上し、生育が促進されます。ネギの育苗培土ネギの育苗培土としてブラックピートと赤玉土などを配合することで、過剰に肥料が効かず、徒長をおさえながら安定して持続的な肥効になります。スギコンテナ苗木の育苗培土少し変わった事例では、スギコンテナ苗木の育苗培土としてもブラックピート70〜80%と鹿沼土や赤玉などの配合培土が使われます。ブラックピートを使用するメリットブラックピートを使用するメリットは多岐にわたります。1.豊富なフミン酸で生育促進・物理性改善・軽量化ブラックピートにはフミン酸が豊富に含まれます。フミン酸には、土の通気性や排水性、保肥性を良くする働きがあります。その働きによって、効率的な養分吸収と生育促進や、さらには根張りの促進や土壌の団粒化・物理性の改善も見込めます。また、このようにフミン酸が何役も担ってくれるおかげで、培養土の原料を少なくすることができ、軽量化が実現します。2.窒素肥料に対する緩衝能力ブラックピートには、窒素肥料に対する緩衝能力があります。腐植が進んでいるため、一気に肥料成分が効いてしまうことはありません。そのため徒長を抑制し、丈夫な苗を育てることに役立ちます。ブラックピートの課題ブラックピートは、育苗や土壌改良材として優れた特性を持っていますが、一方で供給不安が懸念材料となっています。ブラックピートの原料の一つであるピートモスは、原料であるピート(泥炭)の採掘による環境問題が懸念され、持続的な利用が難しくなる可能性があります。また、ココピート原料のオールドピートの主要産地であるスリランカでは、近年の政情不安などによって、10年以上製造に要するブラックピートは安定的な供給が困難になる可能性もあります。そのため、今後はブラックピートの代替資材の開発や、持続可能な原料の調達・製造方法の確立が求められます。ココカラではブラックピートの代替資材「ココカラ・プレタ」を開発ココカラは2024年5月、ブラックピートの供給不安が指定されていることを背景に、通常のココピートにバクテリアを独自配合して人工的に腐植を進めた「ココカラ・プレタ」を新発売いたしました。保肥力が高く、根がデリケートなイチゴの育苗やレタスの栽培に最適な製品です。人工製造のため、均一な品質で安定供給が可能です。また、サイズはLCBタイプ(55×50×30㎝、180L)で、サイズのカスタマイズやサンプル提供のご相談も承っております。製品の詳細はこちら。参考文献・サイトhttps://www.rinya.maff.go.jp/j/kanbatu/syubyou/attach/pdf/kontena31-13.pdfhttps://www.takii.co.jp/tsk/bn/pdf/20090833.pdf