<目次>ヤシ殻培地は数年間再利用でき、数年間使用した後は土にすき込み、土壌改良材などとして活用できます。ただ、廃棄量が多くすき込む場所がない、また肥料成分を含んだヤシ殻培地をすき込むことに環境影響はないのかなどの質問をいただくことが多いです。そこで今回は、「廃棄するヤシ殻培地の活用方法」として、使用済みヤシ殻培地はバイオマス発電や燃料として利用可能か、また利用する場合にはどのような点に注意すべきかを説明します。使用済みヤシ殻培地はバイオマス発電や燃料として利用可能か?使用済みのヤシ殻培地をバイオマスにして発電することは理論上は可能です。ただし、バイオマス発電で燃焼・発電する場合、30%程度のエネルギーは捨てることになります。天然ガスの約50%が利用できないため比較すると効率的ですが、決して発電時のエネルギー効率が高い方法ではありません。そうなると、かえって環境負荷が上がってしまうこともあります。また、処理コストもかかってしまいます。利用する場合にはどのような点に注意すべきか?使用済みのヤシ殻培地を効率的かつ効果的に再利用するためには、エネルギー効率を上げることが大切です。バイオマス発電のエネルギー効率を上げる方法は、バイオマスを燃焼するときのエネルギーもしっかり利用することです。たとえば、発生する熱をハウスの暖房などに利用すると、エネルギー効率は80〜90%まで上がると言われています。また、発電するよりも、ヤシ殻をバイオマスを燃料チップに処理して、ハウス内の暖房に利用する方法の方が効果的に利用できる可能性があります。高油分量・低水分量だとヤシ殻培地で効果的に燃料利用ができる使用済みのヤシ殻培地を燃料として利用する場合のポイントは、油分量と水分量です。適量の油分が含まれており、かつ水分量をできるだけ減らすことで、効率的かつ効果的にバイオマス燃料として燃やす=再利用することができます。今回ご紹介したバイオマス発電用燃料としてだけでなく、ココカラは使用済みヤシ殻培地を再利用により資源を循環させる方法を今後も考え、提案していきたいと考えています。