ココピートのバッファリング手順と硝酸カルシウム水溶液の使い方

ココピートのバッファリング手順と硝酸カルシウム水溶液の使い方

ココカラでは、ココピートの欠点でもあるココヤシに吸着した成分の不均一性の対処法としてバッファリング(膨張)を推奨しています。

ここでは、バッファリングが必要な理由から、硝酸カルシウム水溶液の作り方、バッファリングの手順までを解説します。

バッファリングを推奨する理由

ココピート培地には、元々窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)や微量要素が含まれています。また、有機資材のため培地ごとに含まれている成分も量も異なります。培地ごとに含まれている肥料成分の割合にバラツキがある状態で施肥をすると、初年度の生育にもバラツキが生じる場合があります。

その対処方法として、硝酸カルシウム水溶液でのバッファリングをおすすめしています。硝酸カルシウム水溶液でバッファリングをすると、肥料成分がカルシウムに置き換わり培地が無機質に近くなり、初年度の施肥・栽培管理が容易になります。以下に、硝酸カルシウム水溶液でのバッファリングが有益な理由を詳しく説明します。

硝酸カルシウム水溶液を推奨

ココカラは、硝酸カルシウム四水和物を溶かした液の「硝酸カルシウム水溶液」でのバッファリングを推奨しています。

ココピート培地を水で洗い流すと、水溶性の成分は流れ出ますが、カリウムやリン酸などは培地中に残留します。また、もともと培地に含まれている肥料成分の割合が異なる状態ですべての培地に同量の肥料を入れて膨張させた場合も、培地間での不均衡が生じたままなので、画一的な栽培が難しくなります。

硝酸カルシウム水溶液でバッファリングをすると、すべてカルシウムに置換されるため、培地ごとの成分差が小さくなり、施肥・栽培管理が容易になります。

ココピート培地の成分を同一条件にし、管理しやすくするため

バッファリングを推奨する第一の理由は、培地に含まれる肥料成分を同じ条件にすることで、施肥管理が容易になるからです。

ココピートは、Ca2+などの二価の陽イオンを取り込み、代わりにN+、P+、K+を放出する性質を持っています。そのため、硝酸カルシウム水溶液でココピートを膨張させると、イオン交換反応(Ca2+を加え、ココピートの複合体からK+などの一価陽イオンを除去するプロセス)が行われ、ココピート培地にもともと含まれているN+、P+、K+は完全に洗い流されます。

微量要素欠乏症にならないようにするため

バッファリングを推奨する第二の理由は、微量要素欠乏症にならないようにするためです。

バッファリングをせず、新しいココピート培地に施肥をすると、追加されたカルシウム(Ca+)、鉄(Fe2+)、マグネシウム(Mg2+)などが培地に取り込まれてしまい、生産者が想定している量より植物に供給されるCa2+などの微量要素量が少なってしまう傾向があります。

硝酸カルシウム水溶液でココピートを膨張させると、イオン交換反応でココピートに含まれるK+とP+とN+だけでなく、Na+も完全に除去され、Ca2+に置換されます。さらに二価のCa2+を吸着させることで、ココピートはCa2+でコーティングされた状態になります。そのため、新たに追肥したCa2+、Fe、Mn、Mgなどの微量要素を培地が吸収せず、植物に行き渡るので、微量要素欠乏症を防ぐことができます。

バッファリングが必要な製品

新しい製品を使用する場合に、バッファリングを推奨する製品は、主にグローバッグとココスラブです。特にイチゴ栽培の場合は、微量要素が欠乏しがちなので、バッファリングをおすすめしています。再使用時には、バッファリングは不要です。

硝酸カルシウム水溶液の作り方

バッファリングに必要な硝酸カルシウム水溶液の作り方を説明します。具体的な手順としては以下の通りです。

1.タンクの水(地下水)の EC をはかる

2.タンクの水のECをもとに水溶液のECを調整して、硝酸カルシウム水溶液を作る

[硝酸カルシウム四水和物]+[水道水]の EC が、[1.9mS/cm]+[水道水の EC]になるように調整します。目安として22gの硝酸カルシウム四水和物に対して10L の水が必要です
例:タンクの水の EC が 0.1mS/cm であれば、硝酸カルシウム水溶液の EC は 2.0 mS/cm(1.9mS/cm+0.1mS/cm)になるよう、硝酸カルシウム四水和物をタンクの水に混ぜてください。

バッファリングの手順

次にバッファリングの手順について説明します。

使用する水の量

グローバッグのサイズによってバッファリングのために必要な水の量が変動します。

例:100✕20✕12cm(培地のサイズ)≒24,000㎤≒24L(培地量)

この培地容量(24L)では、培地重量は2.4kgです。また、保水性が高いココカラココピートは、培地1㎏に対して約8Lの水が目安です。つまり、この場合は2.4kg(培地重量)✕8L=19.2Lの水が必要です。

以下の表も参考にしてください。

表1:培地サイズごとの必要水分量一覧

培地サイズ 培地量 培地重量 必要な水の量
602012cm 14.4L15L 1.5kg 12L
1001512cm 18L 1.8kg 14.4L
1002012cm 24L 2.4kg 19.2L
1002015cm 30L 3.0kg 24L

グローバッグの膨らまし方

具体的なグローバッグの膨張の手順です。

1.培地を中央にそろえる

グローバッグの両端をつかみ、バッグ(袋)に入っている圧縮されたココピートが片端に寄らないよう左右に振りながら中央にそろえてください。

2.硝酸カルシウム水溶液でココピートを膨らます

培地重量1kgに対して約8Lの水で少しずつ膨らまし、グローバッグの隙間がないパンパンな状態まで膨らまします。排水穴がありますが、問題なく膨らみますのでご安心ください。

3.放置する

約72時間(最短でも48時間)放置してください。

4.洗い流す

きれいな水でグローバッグの中をゆっくり洗い流してください。洗浄が完了した目安は、トマトを含めた一般的な作物の場合は、排水のECが1.4mS/cm未満になるまでです。イチゴについては、0.8 mS/cm未満を目安にしてください。洗浄用の水の量は、ココピートの容量に対して、1.25倍が目安です。

例:ココピート培地が24L の場合は、水は約30L(24L✕1.25=30L)

表2:培地サイズごとの洗浄用に必要な水量一覧

培地サイズ 培地量 洗い流す水の量(目安)
602012cm 14.4L15L 19L
1001512cm 18L 23L
1002012cm 24L 30L
1002015cm 30L 38L
5.定植

この状態になれば、定植が可能です。


 

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