事業継承に新しい風!浅小井農園2代目、関澤征史郎氏インタビュー

事業継承に新しい風!浅小井農園2代目、関澤征史郎氏インタビュー

新規就農した農園とのグループ経営で効率の良い栽培、働き方を作り出す。

関澤征史郎氏

2008年創業の「浅小井農園」(滋賀県近江八幡市)は、当時栗東市役所に勤務の松村務氏が、同市の産地生産拡大事業の補助事業をきっかけとして、54歳で早期退職し新規就農でトマト栽培をスタートしたのが始まりです。同氏は、施設園芸の先進地オランダに学び栽培ノウハウを掴みながら、着実に収量品質を上げ、「朝恋トマト」として、全国にファンが広げました。さらに「浅小井農園」は、東京オリンピックの食材提供はGAP認証農場となる前から、県内初のJGAP(農業生産工程管理手法)の認証も受け、各地から農業関係者が視察に訪れています。

2020年秋、松村氏から事業後継者として関澤征史郎氏が就任しました。会長となる松村氏とともに、SDGs推進型の農業に力を入れていますが、関澤氏は事業継承とご自身も新規就農を両立されており、従業員の働き方改革にも創意工夫されています。新しいリーダーとなった関澤氏に、お話を伺ってきました。

浅小井農園の課題解決:次世代事業継承者

銀行出身の関澤氏が挑戦、新規就農と浅小井農園継承

トマト農園

滋賀県内の銀行に就職後、農業に興味を持ったという関澤氏は、週末に農業大学校に通学しながら経営の勉強をしながら就農準備を進めていたといいます。新規就農者として独立のビジョンを持っていたので、実際の栽培ノウハウを深く体得したいと思うようになり滋賀県の関係機関に相談。2018年11月に国から助成金を受け、県内有数トマト農園である、浅小井農園で研修生として新たなスタートを切りました。

関澤氏は、研修中の翌年2019年7月には新規就農し、大玉トマトを栽培する「株式会社フェリシタシオン」を県内に立ち上げました。現会長の松村氏は浅小井農園がさらに進化を願い事業継承の意思を固めながら、関澤氏へバトンタッチしたのが、2020年10月です。

会長の松村氏から親子ほど年の離れた新社長、関澤氏は、「株式会社フェリシタシオン」での新規就農と、事業継承として「浅小井農園」を託され、現在二つの組織の経営をしています。

独自の経営手法を実践:2社のグループ化を図る

浅小井農園にリソースを連結、目指す安定化

二社を同時に経営するという大きな決断をした関澤氏は、これまでの浅小井農園を補うグループ会社として、フェリシタシオン社との協力関係を築いていくように独自の手法を編み出していきます。試行錯誤していくうちに、グループ化を図ることでこれまでの課題にアプローチできることがわかりました。中でも主に3つの部門で、グループ内で補完し、良い結果が出てきました。

①オペレーション部門:栽培品種の分割

関澤氏は、2つの会社で栽培するトマトの栽培品種を分割しました。これまでの浅小井農園は中玉の他に一部大玉トマトも栽培していたので、作業負担が大きくなることもありました。そこで栽培品種を浅小井農園では中玉のミディトマト、フェリシタシオンは大玉トマトと絞り、栽培のオペレーションを統一したところ、作業効率が良くなりました。

②販売部門:サイズ別のブランドトマトで、マーケットの需要に対応

トマトは同じ販売先であっても、季節によって中玉か、大玉か、需要が変わってくる場合があります。関西主要都市の百貨店、全国各地のスーパー、直売所や、レストランの需要に対し、浅小井農園は、中玉の「朝恋トマト」、フェリシタシオンは、大玉「マッスルトマト」と、2つのサイズのブランドトマトを栽培し対応しています。これによって年間で季節による出荷量の差が少なくてすみます。

③人材部門:労働力の平準化

現在、浅小井農園は正社員9名とパート従業員6名(繁忙期のみ派遣雇用3名)を雇用し、フェリシタシオンでは、正社員は雇用していません。繁忙期に人手が必要な際にだけ、浅小井農園からフェリシタシオンへ人材派遣し作業に当たります。2社の作業計画と労働力を配分でき、必要な時に人材を届ける「効率の良い働き方」を仕組み化できました。

これからの未来:もっとおいしい朝恋トマトを

日々ブラッシュアップを。進化を続ける浅小井農園

浅小井農園では、ココカラが開業した当初よりトマトの養液栽培でココカラのグローバッグ(TP3)を3年間継続して使用しています。

栽培計画では、8月ココピート培地を交換し定植、翌年7月まで収穫を続けますが、8月から収穫ができる10月上旬までは農閑期となります。収入の平準化を求めるパート従業員を労働力の調整として、フェリシタシオンでは6月から7月に定植し、8月から収穫ができるよう栽培体系を組み立て、一人一人の「働き方改革」にも取り組む関澤氏。おいしいトマトを作るために隅々まで目を行き届かせていました。

会社のホームページには、「先代が培ったトマトづくりのノウハウをしっかりと引き継ぎつつ、社員全員で『もっとおいしい朝恋トマト』を作るために、毎日ミーティングをしてブラッシュアップに取り組んでいます。」という関根氏と、「得意分野が違う二人が、それぞれのいいところを発揮することで、浅小井農園がさらに進化して、おいしい朝恋トマトを全国のお客様にお届けします。」会長松村氏のメッセージが並んでいます。

2020年事業継承が実現した浅小井農園は、新たな風を送リこみ、未来への道を歩み出しました。さらなる進化を続ける浅小井農園のこれからに期待が高まります。

会社名 浅小井農園株式会社
お話をお伺いした方 【関澤征史郎さん】

代表取締役社長
1981年生まれ 兵庫県出身
2003年立命館大学文学部卒業
みずほ銀行で大企業・中堅中小企業担当・融資課長等を歴任後、2018年に退職し農業の道を志す。
同年、農業研修先として浅小井農園に入り創業者である松村氏と出会う。
2020年10月第三者承継により当社代表取締役社長に就任。

【松村務さん】

取締役会長
1953年近江八幡市浅小井町に生まれる
大阪工業大学土木工学科卒業
栗東市役所で建築課長、新幹線新駅設置対策課長等を歴任後、退職し浅小井農園株式会社を設立しトマト栽培を始める。
2020年取締役会長に就任

公式ホームページ http://asagoi.com/
栽培作物 トマト
黄化葉巻病抵抗性品種のミディトマト「ボレロ」
導入製品 ココカラグローバッグ(TP3)
https://cococara.jp/product-kind/#growbag
規模 ハウス2棟(計約8,000㎡)
隔離ベンチ44m×80列

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