使用済みココピートの活用事例|畑地の作土量を増やし効果的に利用

使用済みココピートの活用事例|畑地の作土量を増やし効果的に利用

 

使用済みココピート培地は、使用後に畑にすき込んで処理される場合が多々ありますが、実は、畑地の作土量を効率的かつ効果的に増やす活用方法もあります。
 

今回は、使用済みココピートと緑肥を併用しながら畑地の土として有効利用している長野県松本市の株式会社佐藤工務店 佐藤亮太さんに、その活用方法についてお話を伺いました。

土の体積を増やすために使用済みココピートを再利用

 

佐藤さんは、約3年前からイチゴの高設栽培でココカラのココスラブ(TP1とTP2)を使用されています。使用済みのココピート培地は、野沢菜など露地野菜を栽培する畑の作土量を増やすために有効的に再利用されています。
 

ハウスに隣接する畑は、もともと河原でしたが戦後に山から土を運び、客土し畑地化したそうです。元々、河原だったこともあり、作土層が薄く、砂利も浮いており、よい作物を栽培するためには土の量を増やすことが必要です。佐藤さんは土の体積を増やすために使用済みのココピートを利用しています。また、緑肥として活用されているソルゴーとの併用で、土作りをしています。
 

使用済みココピートで作土する手順

 

使用済みのココピート培地を再利用して作土量を増やす手順をご紹介します。
 

  1. 佐藤さんは夏イチゴを栽培されています。栽培が落ち着いた2月頃に、圃場にココピートを均一に撒きます。ココピートを入れることで作土層の体積を増やし、数年後には土に還ることで、腐葉土を入れた場合と似た効果になります。また、ココピートはCECが高いため土壌の保肥力も向上し、物理性も優れていることから、物理的な土壌改良効果もあります。
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  3. 3月に入ったら、耕起し、緑肥としてムギ類を播種します。イチゴで使用したココピートには、肥料分が多く残っています。それを一度緑肥に吸わせることで、土壌中の肥料量をできるだけ均一な状態に戻します。また、育った緑肥を鍬込むことで、さらに作土層が発達します。緑肥は穂を出して固くなると、分解が遅くなります。また、種がこぼれると雑草になってしまうので、登熟前に潰す必要があります。
    大麦の場合は、登熟前に潰してすき込みます。ライ麦の場合は、暑さで自然に枯れるため、種がこぼれることなく、こぼれた種が雑草になってしまうリスクが少ないです。
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  5. ムギ類をすき込んだ後に、すぐにソルゴーを播種します。ムギ類が生育した時点では、圃場の肥料成分の状態は凸凹ですが、ムギ類の成育過程で土壌中の肥料成分が作物に使われるので、理論上は土壌中の肥料成分が均一になっているはずです。その理論を確認するために、ソルゴーを播種します。ソルゴーが均一に育っていれば、畑の肥料成分の状態はフラットだと言えます。万が一、生育状態が凸凹ならば、作物を栽培しないという選択も視野に入れます。
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    ソルゴーとは

     

    ソルゴーはイネ科の植物で、緑肥として使われます。繊維が柔らかいため、簡単にすき込めます。また、播種後3日程度で発芽し、2ヶ月程度で十分な高さに生育し、占有効果(同じ植物が高密度で植栽すると、根部でその植物以外排除する)も高いので、雑草抑制効果が期待できます。
     

  7. ソルゴーがある程度まで生育したら、粉砕します。佐藤さんの場合は、ムギ後に栽培するソルゴーは、あくまで土壌の養分量(ムギ類で吸いきれない使用済みのココピートに含まれる肥料分が残っていないか)の確認のためのものです。
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  9. 土壌中の肥料成分がフラットで、かつ作土層が増えた圃場に分解促進用に窒素成分(牛フンを10aあたり1トン程度)を少しだけ施用します。佐藤さんによると、バランスよくフラットに土を作ってから、作物に合わせて肥料を入れるイメージです。
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  11. 8月末頃に秋野菜を播種します。佐藤さんは、野沢菜を栽培しています。

ココピートは、適切に再利用することで保水性、排水性、繊維質を活かし、土壌改良材として使うことができます。
 
 

施設園芸にとっての畑の役割

 

佐藤さんが実践しているココピートの処理方法は、下記の2点から農作業をラクにし、環境にも優しい活動です。
 

  1. 施設園芸農家にとって、畑は本職である施設栽培の手が空く時期(佐藤さんの場合は秋頃)まで、できれば草刈りなど手をかけたくない場所です。そのため、占有効果のあるソルゴーを播種し、夏季の雑草をできる限り抑制しています。
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  3. また、畑は使用済の培地を入れて活用する場所でもあります。作土を増やすことができるため使用済みのココピートは、100%活用されています。

ココピートとピートモスの再利用における比較

 

佐藤さんは以前、培地に軽石が混合されたピートモスを使用していました。当時は、近隣の水稲農家に使用済のピートモス培地を入れさせてもらっていましたが、軽石が浮いてきてしまうというトラブルが発生しました。畑にすき込んだものに関しても、軽石が分解されずに残ったままになってしまっています。この点において、ココピート培地は土に分解され、作土量を増やすことに貢献しているので、使用済み培地を十分に有効活用できていると言えます。
 

ココピート培地を再利用、有効活用して農業をラクに

 

佐藤工務店さんの、ココピート培地を、安定的な作物の栽培に使用されるだけでなく、環境に優しく、農作業の労働コストや資材コストを削減されている成功事例をご紹介させていただきました。
 

使用済みのココピート培地を、畑にすき込んで処理をしている方は多いと思います。それでも培地の処理にかかるコストは削減され、環境にも優しい活動です。
 

しかし、それだけではなく、もうワンステップ手をかけ、ソルゴーなどの緑肥と組み合わせると、繁忙期の除草の手間が省けたり、作土層を増やしたりできる可能性が見えてきています。
 

ココピートを使った、よりサステナブルな農業の可能性が広がります。
 

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