ココピート製品の基礎知識 前処理(バッファリング、アク抜き・塩抜き)

ココピート製品の基礎知識
前処理(バッファリング、アク抜き・塩抜き)

 

日本に輸入されているココピート製品の品質は向上しており、使用する前に水につけてアク抜き・塩抜きが必要な製品は少なくなってきています。その他に、収量を安定させるためのバッファリングという技術もあります。今回はココピート製品の前処理について種類や、手順、また環境への影響について解説します。

ココピート製品の前処理の種類と概要

 

ココナッツにはナトリウムが結合しています。それを除去し、栽培に影響を与えないためには、前処理が必須です。ココピート製品には、購入時点で前処理がされているものもありますが、生産者による前処理が必要な場合もあるため、必ず購入前に確認しておきましょう。それでは、前処理にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

アク抜き・塩抜き

アク抜きや塩抜きとは、ECを下げるために、水で洗浄しつけ置く処理方法です。cococaRa製品は、腐食したココナッツの殻から取り出したココピートを、数ヶ月間保管した後に数回洗浄しているため、使用前のアク抜き・塩抜きなどの処理は不要です。

 

バッファリング

バッファリングとは、ココピートにカルシウム(Ca+)を加え、ココピート培地中に過剰に含まれているカリウム(K+)など一価陽イオンを除去する処理方法です。
 
新しいココピートは、カルシウム(Ca2+)や鉄(Fe2+)、マグネシウム(Mg2+)などが吸着しやすいですが、硝酸カルシウムで膨張させることで、ココピートはカルシウム(Ca2+)で満たされ、栽培初期の微量要素欠乏を回避でき、収量の安定につながります。特にイチゴ栽培でココピートを使用する場合は、バッファリングで膨張させることをおすすめしています。

 

原産国でのバッファリングと環境

 

ココピート製品の前処理は、安定した栽培や収量を得るために重要です。しかしバッファリングに関しては、環境への配慮という観点からも考える必要があります。

 

バッファリングで排出される窒素量

バッファリング工程では、年間8kg/haの窒素酸化物を含む水(44m²/ha)が排出されます。ただし、インドやスリランカなどの生産地でココナッツをバッファリングした場合、栽培地での窒素排出量には加算されません。これはオランダなどヨーロッパでは、窒素排出量の規制が細かく定められており、生産者はこれらを計算しながら窒素排出量が少ない栽培を心がけています。

 

原産地インドでは、ココピート製造による環境汚染が課題

一方で、ココピートの原産地であるインドやスリランカでは、バッファリングなどによる深刻な環境汚染問題が生じています。バッファリングやココピートの洗浄によって大量の水を使用し、その洗浄後の排液が地下水に混入し、地下水だけでなく現地の農業活動にも影響を与えています。また『限りある水資源を守る』という観点でも、大量に水を消費し、排出し続けることが課題になっています。

 

cococaRaがお客様にお願いしたいこと

cococaRaは、お客様のニーズに合わせて、硝酸カルシウムでバッファリングしたココピート製品を提供しています。しかし、インドの環境面や、サステナブルなココピート製品生産を考慮し、可能な限り日本国内でのバッファリングを生産者の皆さまにお願いしています。

 

硝酸カルシウム水溶液での膨張させる手順

 

では、生産者が国内でバッファリングをする際は、どのような手順で行えばよいのでしょうか。cococRaが推奨する栽培前の硝酸カルシウム水溶液でのバッファリング方法を、グローバッグ(TP3:トマト)の例で説明します。

 

1. グローバッグを設置する

はじめに、グローバッグの両端を持ち、左右に振りながら袋の中に入っている圧縮されたココピートが、真ん中に位置するようにします。そして、グローバッグを並べます。

 

2. 膨張に必要な水を準備する

次に、cococaRaグローバッグを膨張させるための水を準備します。グローバッグ一つにつき約18Lの水が必要です。

 

3. 地下水のECを計測する

そのあとは、硝酸カルシウム水溶液を作るために、タンクの水(地下水)のECを計測します。

 

4. 硝酸カルシウム水溶液を作る

この計測結果をもとに、cococaRaが推奨するEC濃度になるように、硝酸カルシウム四水和物をタンクの水に混ぜて、溶かした溶液(硝酸カルシウム水溶液)を作ります。

 

5. ココピートを膨潤させる

準備した硝酸カルシウム水溶液を、設置したグローバッグに、ゆっくり、少しずつ入れてください。ココピートは膨潤し、グローバッグに隙間がない『パンパンな状態』にしてください。

 

6. 放置する

この状態のまま、最低48時間、理想は72時間放置してください。

 

7. ココピートを洗浄する

最後に、グローバッグの底の排水穴から出てくる水のEC濃度を計測しながら、きれいな水(地下水もしくは水道水)を使って洗い流してください。EC濃度がcococaRa推奨値以下になったら準備完了です。

 

最後に

 

ココピート培地を使って安定した栽培や収量を得るためには、バッファリングなどの前処理技術は重要です。ただし、原産地における環境面にも考慮し、サステナブルな製品を選択しましょう。

 

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