自走式防除機“ロボットスプレーカ”とは

自走式防除機“ロボットスプレーカ”とは

 

施設園芸では、露地栽培に比べて高温多湿になることが多く、病害虫が発生しやすい環境です。また収量を確保、安定した品質の農産物を生産するためには、防除作業はとても大切です。しかし高温多湿の中での防除作業は、重労働であり、またハウス内では作物が伸長すると作業が困難です。
 
オランダの施設園芸では、労働コスト削減のために作物保護(農薬)を散布するために自走式防除機(ロボットスプレーカ)を導入しています。今回はオランダにあるロボットスプレーカの種類や特徴などをご紹介します。

ハウス内防除機の種類

 

はじめに、ハウス内で使用されている防除法についてまとめます。

 

動力噴霧機

最もよく使用されているのが、動力噴霧機による液剤散布です。動力ポンプで圧力を加えた薬液を、ノズルから噴霧して作物に付着させる方法です。ハウス内でよく使われるのは、ノズル懸垂式防除装置です。

 

自走式防除機(ロボットスプレーカ)

ノズルを装着した防除機がホースを引っ張りながら、または巻き取りながらベッド間を無人走行して、薬液を散布する方法です。自走走行には、完全無人散布のものと、手動のものがあります。また薬液ポンプは、動力噴霧機を利用します。

 

ノズル懸垂式防除装置

ハウスの上部にレールを設置し、ベッド間にノズルを吊り下げて散布する方法です。これはノズルを懸垂するために、施設を改装する必要があります。

 

ロボットスプレーカの特徴

 

それでは自走式防除機(ロボットスプレーカ)は、オランダではどのように使用されているのでしょうか?基本的には、事前にベッドの長さや、1ヘクタールあたりに使用する液剤の量、散布パターンなどを設定すると、自動速度や圧力計算を自動的に行った上で、走行・散布します。
 
散布以外のフルスピードは、早いもので1分間で110mにもなります。散布中の速度に関しても分速0〜40m程度の間で選択ができます。またタンクの大きさは、200Lから1,000Lまで幅広くあります。

 

ロボットスプレーカの種類

 

ではロボットスプレーカにはどのような種類があるのでしょうか。オランダにおける代表的なものをご紹介します。

 

チューブレールスプレーカ

このシステムでは、ガラス温室内の暖房や輸送システムのチューブを利用して、ベッド間を移動します。また確実な経路の距離を測定するために、チューブ/レール検出システムが搭載されているケースもあります。年間最大で80%程度の農薬を削減できるものもあります。

 

 

バッテリー駆動式チューブレールスプレーカ

バッテリー駆動で、かつチューブ/レールを利用するので操作が簡単です。フルバッテリーで1日持ち、基本的に一人で作業が可能です。また比較的低コストで、グラスハウスだけでなくビニールハウスへの導入実績もあります。

 

 

ホイール式

ロボットスプレーカの技術を使いながら、ベッド間の移動は手動で操作するガラス温室用のスプレーカです。チューブやレールがなくても使用可能で、非常に使いやすく、次の列に移動する際には、自動的にケーブルが巻き取られます。1ヘクタールあたり25時間の労働力を削減でき、年間50%程度の農薬を削減できます。

 

 

イチゴ専用ロボットスプレーカ

少し変わったものとしては、ベルギーの会社ですがイチゴ専用のロボットスプレーカもあります。水平に散布フレームがあり、下向きにノズルがついており複数の列を一度に処理ができます。

 

 

ロボットスプレーカのメリット

 

労働時間の削減

完全に自動のロボットカートもあれば、手動でレーンを移動させる半自動のものもあり選択ができます。半自動に関しては、列を変える際にガイドする作業者が必要ですが、いずれにしても労働力削減にも貢献します。

 

農薬使用量の削減

事前にプログラムを設定し、過剰な噴霧がないため、最適な液剤量を噴霧できます。散布回数も削減できます、すなわち農薬使用量を削減が可能です。これはコスト削減も実現可能です。

 

安全な散布作業の実現

作業者の農薬被ばく量や回数を削減でき、自動で散布できるため接触が少なく安心して作業ができます。

 

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