高設イチゴ栽培でのココピート培地管理法

高設イチゴ栽培でのココピート培地管理法

 

日本におけるイチゴ栽培は、栽培ベッドを使った「高設栽培」と、土を活用して地面で栽培する「土耕栽培」に分かれます。ここでは高設栽培の特徴や、高設栽培と培地について説明します。またココピートを使用する際に気をつける点も解説します。

高設栽培とは?

 

高設栽培とは、地面にある土壌ではなく、生産者が収穫などの管理がしやすいように高い位置にベンチを設置して栽培する方法です。特にイチゴ栽培で導入されています。

 

高設栽培のメリット

高設栽培のメリットは、高い位置にあるため収穫や栽培管理がしやすく、作業者の負担が少ない点がメリットです。またイチゴ狩りなどの観光農園では、摘み取りがしやすいため来場者にも喜ばれます。さらに高い位置にあることで、花房が垂れ下がる品種であっても地面につかず、イチゴを傷つけてしまうことがありません。

 

高設栽培のデメリット

一方で高設栽培は、導入コストや運営コストが高額です。また培地を定期的に交換する必要があり、その費用や労力がかかることもデメリットと言えます。

 

高設栽培では、生産者が根に最適な環境を作り出そう

 

高設栽培の特徴の一つは、土耕栽培とは異なり根域が制限されます。そのため生産者が、根にとって最適な環境を作り出していく必要があります。この理由から、高設栽培では基本的に、生産者が環境を作りやすい『液肥と培地を使った養液栽培』を採用します。それぞれ培地の特性に応じて、培養液やpH、温度など管理することが大切です。

 

養液栽培のメリット

養液栽培のメリットは、土ではなく培地を使用するため土質の影響を受けず、しっかり管理すれば、病気にかかりにくいことにあります。またどこでも均一に栽培ができるため、マニュアル化しすく、安定した栽培が実現できます。そのため経営の大規模化を視野に入れている方にも適しています。

 

養液栽培のデメリット

しかし養液栽培は、生育に影響する要因が多く、栽培管理が煩雑であったり、培地や液肥を灌注する設備にコストがかかります。さらに培地によって生育状況が左右されるため、培地の選定は重要です。

 

培地だけではなく、栽培槽や培地量も考えよう

 

高設栽培で培地を選定する時は、栽培槽や培地量についても理解しましょう。

 

栽培槽(ベンチ)

高設栽培をするにあたり、栽培槽(ベンチ)の形状などについても考える必要があります。例えば栽培槽が分かれていれば、栽培槽が一列でつながっている場合と比べて、病気の蔓延を防ぐことはできますが、導入時コストや、培地を入れ替える手間がかかります。

また栽培槽の材質がプラスチック、透明性シート、発泡スチロールによっても、培地温度の日較差に違いが生じます。さらにシートを使用する場合は、耐用年数も考慮しましょう。

 

培地量

栽培槽に入れる培地の量についても、事前によく考えておきましょう。高設栽培におけるイチゴ一株あたりの培地量は、栽培槽の大きさ(ベンチサイズ)によって1リットル程度から5リットル程度までと、範囲が広い点を理解しておきましょう。少なければ当然培地のコストは下がりますが、培地温度の変動などが起こるため、必ずしも少なければよいというわけでもありません。

 

培地の種類

それでは高設での養液栽培で使用する培地には、どのようなものがあるのでしょうか?一般的にはロックウール、パーライトなど無機質培地と、ココピート(ヤシ殻)、ピートモスなど有機質培地の単用、または混合で使用されます。ここではココピート培地に焦点を当てて、解説します。

 

ココピート培地のメリット・デメリット

高設栽培でココピート培地を使用するメリットは、比較的軽量のため、架台の構造を節約し、導入コストを下げられる点です。また泥汚れがなく、クリーンなイメージを与えられ、特に観光農園では適した培地だと言えます。一方で長年使用すると、下層部が堆肥化してしまうので、培地を定期的に交換する必要があります。一般的には、毎年ココピートを補填し、5年で全て取り替えます。

 

イチゴ栽培の特徴から考えるココピート培地の管理法は?

 

物理性が高く団粒構造を持った培地を選ぶ

イチゴの栽培特徴は、新生根の発生を促すために、培地表面の土壌水分量が多いほど良い、つまり培地の『保水性が高い』必要があります。一方で根からの酸素吸収量が多いので、生育や収量はその酸素供給量に影響を受けます。そのため培地の『排水性が高い』ことも大切です。土壌と同様に、培地も物理性が高く団粒構造を持ったものを選びましょう。

 

定植前に窒素を給液する

ピートモスやココピートなどの有機質培地は、肥料として施用された無機態窒素を固定化・有機化してしまう点に気をつけましょう。これは培地中の微生物の活性が、高温や無機態窒素が多いと急激に上昇し、しばらくすると活性が低下して一定を保つ性質があるからです。そのため熟成していない有機物培地を使うと、窒素不足に陥る可能性があり、注意が必要です。また新規でココピート培地を使用する場合は、定植の1ヶ月程度前に窒素を多量に給液し、培地温と微生物活性を高めた後に定植するのがおすすめです。

 

窒素の施用量に気をつける

さらにココピート培地は、窒素を吸着したり、イチゴが吸収できる硝酸態窒素を吸収できない有機体窒素に変えてしまったりする特性があるため、イチゴが必要とする以上に窒素を施用しましょう。

 

高設イチゴ栽培に適したcococaRa製品

 

最後に高設イチゴ栽培に適したcococaRa製品を紹介します。

 

COCO SLAB

ココピートスラブは、栽培槽の容量やサイズに合わせて培地を置いて、水をかければ使用できます。従来品は、水を溜めた別の場所で丸一日近くかけて膨潤させる必要があり、膨潤後の重たい培地を手で運んでいました。cococaRaココスラブは、数時間で膨潤するため、半日もあれば入れ替え作業が終わります。補填をすれば、7年程度取り替えをせずに使用できます。

 

COCO MINI SLAB

ココピートミニスラブは、培地量に合わせて必要な分を補填するために使用します。ベンチの容量やサイズに合わせて培地を足したい箇所に設置して、水をかけるだけで使用できるため、労働力削減に貢献しています。

 

BRIQUTEE

ココピートブリックティーは、20x10x5.5cmの固定サイズです。使用する栽培槽のサイズに合えば、ブロックのように使用できるため容易に設置ができます。

 

<参考サイト>

  • イチゴ高設栽培におけるヤシガラ培地使用1年目の留意点/宮城県農業・園芸総合研究所/平成27年
  • 高設イチゴの実用栽培技術/宇田川雄二/2003年
  • 材質、形状の異なるイチゴ高設栽培槽における培地温度変化の特性/山崎浩道(農研機構東北農業研究センター)/2014年
  • 高橋種苗店サイト

 

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